ディープフェイクなどの偽装動画は、民主的選挙の完全性を脅かす。専門家らが米国時間1月8日、米下院エネルギー・商業委員会にそう伝えた。ではどうすればよいのかというのは難しい問題だ。
消費者保護小委員会が開いた「Americans at Risk: Manipulation and Deception in the Digital Age」(危機にある米国民:デジタル時代の情報操作と偽装)という公聴会では、広範囲にわたるインターネット上のオンライン詐欺や操作について取り上げられた。Facebookでグローバルポリシー管理担当バイスプレジデントを務めるMonika Bickert氏が、3人の専門家とともにこの公聴会に出席した。ハーバードケネディスクールのショレンスタイン・センターでテクノロジーおよび社会変動(TaSC)リサーチプロジェクトのディレクターを務めるJoan Donovan氏、Center for Humane TechnologyのエグゼクティブディレクターであるTristan Harris氏、ネブラスカ大学リンカーン校法学部准教授のJustin Hurwitz氏らが参加した。
Bickert氏は書面で、「そうした動画はインターネット上でまだ比較的珍しいが、われわれの産業や社会の重大な課題となっている」と議員らに伝えた。「2020年の米大統領選に向けて、ディープフェイクを含む偽情報への対策は、われわれにできる最も重要な業務の1つだ」(Bickert氏)
ディープフェイクをはじめとする細工された情報が、2020年11月の大統領選に影響を与えるためにインターネットで使用されるのではないかとの懸念が高まっている。
Facebookは6日、ディープフェイクに関する規則を拡大し、誤解を招くようなディープフェイク動画を削除する方針を明らかにしている。しかし、編集されたり手を加えられたりした動画をすべて禁止するわけではない。
Donovan氏は、簡単な編集で動画を改変する「チープフェイク」もディープフェイクと同じように危険だと警告した。これは、米下院議長のNancy Pelosi氏が酩酊しているように見せかけ、議論を呼んだ改変動画にもあてはまる可能性もあり、議員らはBickert氏に対し、Facebookはなぜこの動画を取り下げなかったのかと尋ねた。
Bickert氏は、「当社のアプローチは人々にさらなる情報を提供するというもので、何かが一般的な話題となった場合に、人々がどう評価するかということを知ることができるようにするというものだ」と述べた。Facebookはこの動画を偽造だと判断したが、Bickert氏は今、同社はこの動画をもっと早くファクトチェッカーに渡すことができたかもしれないと考えていると述べた。
Hurwitz氏は、消費者に害を及ぼす偽情報に対処できる力のある米政府機関らの取り組みにも期待したいとの考えを示した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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