若手農家がプロに聞ける場を--農業プラットフォーム「アグミル」にコミュニティ機能 - (page 2)

「この人に聞きたい」をかなえ、投稿を促す仕組みづくり

閲覧画面。投稿はオープンで、誰でも閲覧できる
閲覧画面。投稿はオープンで、誰でも閲覧できる

 FacebookやTwitterではいい投稿に対して「いいね!」を付けるような仕組みがあるが、AGMIRUのコミュニティでもいい投稿をした人に対するインセンティブを提供するような仕組みを今後は実装していくという。

 「初期フェーズでは搭載していないが、第2フェーズでは金や銀のスタンプなどで投稿を評価し、評価の高い農家がよりお金を稼げるような仕組みにしたい」(上原氏)

 たとえば、投稿への評価が高くてプロ農家として認定された人には、有料でユーザーが直接そのプロ農家に質問ができるといった仕組みだ。

 「この人に直接質問したい、という人たちが出てくると思うので、課金することでその人に直接聞けるようにするようなことを考えている。一人が回答するだけでなく、項目ごとのプロに聞くというような仕組みも想定する。そのほか、評価の高い農家をブロガーのような形で育てていき、より積極的に情報を発信できるような仕組み作りもしていく考え」(上原氏)

第2フェーズは、実証実験の窓口へ--ニュース提供も

 第2フェーズでは農家だけでなく、資材販売業者も参加できる仕組みを作っていくとのことだ。

 「資材販売業者が新製品を農家の方に実証実験してほしいといったニーズもあり、それに興味のある農家を募集するような窓口も作りたい」(上原氏)

 さらに、農業関連ニュースや政府による補助金などの制度情報の提供もスタートする予定だという。

 「毎日農家の方に使っていただけるような設計にするため、2020年春を目指してニュースや制度情報を提供するサービスを開発中だ。聞きたいことについて質問するようなコミュニティだけでなく、ニュースに対してのコメントから派生してコミュニティが活性化するような循環モデルを作りたい」(上原氏)

 上原氏は、AGMIRUのコミュニティサービスを通じて先進的な取り組みや積極的な情報発信へとつなげていってほしいと語る。

 「さまざまな人とつながって積極的に情報交換をし、高いモチベーションで取り組んでいただきたい。コミュニティを活用し、その多様性を生かしてほしい。AGMIRUのサービスを金融まで含めて設計しているのは、農家の皆さまのビジネスをさらに拡大してもらうためのノウハウを皆が学んだり提供したりすることで、もうかる農業に変えていきたいと考えているから。そのためにはここに知見がたまっていけば日本の農業の知的財産を可視化でき、より一層活性化できると考えている」(上原氏)

 お互いが助け合う日本人の文化はコミュニティに適していると上原氏は語る。

 「社会的に貢献したい、世の中のために役立ちたいと思っている人は思った以上に多くいると感じている。自分が苦労したら、その苦労を他の人がしないように教師になってくれたりもする。“利他的”なのは日本人のいいところだと思う。助け合うという日本人の文化はコミュニティに適していると考えている。すでに先進的な取り組みを進めていたり情報発信を積極的にしたりしている方もいるが、そういう人に引っ張ってもらいながら、一歩踏み出してもらえるような仕組みにしたい」(上原氏)

「もうかる農業に変えていきたい」と上原氏
「もうかる農業に変えていきたい」と上原氏

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