Googleの従業員は米国時間8月14日、人権侵害と批判されている米税関・国境警備局(CBP)のメキシコ国境における活動などに抗議して、CBPが入札準備を進めているクラウド契約に、同社が入札しないよう求める嘆願書を公開した。
嘆願書は、CBPが最近公開した情報提供依頼書(RFI)について指摘し、GoogleがCBPなどをサポートしないよう求めている。
さらにGoogleの従業員は、同社がCBPのほか、移民税関捜査局(ICE)や難民再定住室(ORR)などにサービスを提供しないことを公約するよう呼びかけている。
この請願書はMediumに投稿されると同時に、Google社内で配布された。嘆願書が公開された時点で、Googleの従業員676人が署名している。
また、Amazonとクラウド事業Amazon Web Services(AWS)のエンジニア数人に加え、多数の研究者などGoogleの従業員以外も署名した。
Googleの従業員はトランプ政権の下、CBPが実施している移民の取り扱いについて指摘している。亡命希望者を収容したり、子供を親から引き離したり、劣悪な環境の仮収容所に拘束したりしていることが、論争を引き起こしている。
請願書は、移民が米国の収容施設で強いられている過酷な条件を非難する、国連とアムネスティ・インターナショナルの記事に言及し、「これらの侵害は国際人権法に違反しているばかりか、どのような基準からしても非道である」と述べている。
「CBP、ICE、ORRが人権侵害をやめるまで、Googleがインフラ、資金、エンジニアリングリソースの提供を通じて、これらの機関を直接的にも間接的にも支援しないと公約することを求める」
実際にはGoogleはすでに、CBPにクラウドサービスを提供している。CBPのRFIには、既存のクラウド環境として、「Google Cloud Platform」「AWS」「Microsoft Azure」「IBM Cloud」「Oracle Cloud」が挙げられている。
またリストには、Salesforceも含まれている。同社の従業員は、トランプ大統領が2018年に、「ゼロトレランス(不寛容)」 政策を導入し、不法入国した移民の子供を親から強制的に引き離されるなどの措置を取った後、CBPと協力することに抗議したと報道された。Microsoftの従業員100人も同じ理由から、ICEとの関係を断つことを呼びかけた。
Amazonの従業員も2018年に、ICEへの支援を行わないように求める嘆願書を提出している。AWSは、ICEの拘留、送還プログラムを支援するデータ分析企業のPalantirに、クラウドサービスを提供している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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