“ハリポタGO”は日本でヒットするのか--「ハリー・ポッター:魔法同盟」開発陣に聞く

  Nianticとワーナー・ブラザーズは7月2日、「ハリー・ポッター」を題材にした位置情報ゲーム「ハリー・ポッター: 魔法同盟」を公開した。同作は「Pokemon GO」のように現実世界と連動したAR位置情報ゲームで、街中を歩きながらハリーポッターの“魔法ワールド”を楽しむことができる。ゲーム内容の詳細は体験記事を参考にしてほしい。

左から、WB Games San Francisco副社長 兼 スタジオヘッドのジョナサン・ナイト氏と、Niantic プロダクトマネジメント エグゼクティブプロデューサーのジョン・ヴィフィアン氏
左から、WB Games San Francisco副社長 兼 スタジオヘッドのジョナサン・ナイト氏と、Niantic プロダクトマネジメント エグゼクティブプロデューサーのジョン・ヴィフィアン氏

 同作の日本公開に先立ち、開発に携わったWB Games San Francisco 副社長 兼 スタジオヘッドのジョナサン・ナイト氏と、Niantic プロダクトマネジメント エグゼクティブプロデューサーのジョン・ヴィフィアン氏にインタビューする機会を得た。ARを始めとする機能によって、“ハリー・ポッターらしさ”をどう表現したのか。想定するユーザー層や課金要素などについても聞いた。

ハリー・ポッターは「AR」と親和性が高い

——今回、ハリー・ポッターを題材に選んだ理由を教えてください。

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「ハリー・ポッター: 魔法同盟」のマップ画面

ナイト氏 : ハリー・ポッターの世界は、現実世界と魔法の世界の境界線が非常に薄いというか、“ひょいと行ける”設定になっています。まさに、キングスクロス駅にある「9と4分の3番線」 の壁を通じて魔法の世界に行ける世界観が、本作であるハリー・ポッター: 魔法同盟なのです。私はハリー・ポッターの世界がAR(拡張現実)と親和性が高いと感じました。Nianticはこのジャンルを切り開いた企業です。次にリリースするゲームとしてハリー・ポッターを選んだのは、必然のように感じられます。

——お二人にとってハリー・ポッターはどれほど親しみのある作品なのでしょうか。

ヴィフィアン氏 : 私は原作をすべて2回ずつ読んで、映画も何回視聴したか分からないほどです。「ハリー・ポッターと賢者の石」が発売された当初からの付き合いで、自分の子どもたちにも読み聞かせてきました。当時、子どもたちはハリーやロン、ハーマイオニーと同年代でしたので、かれこれ20年近く付き合ってきたことになります。

ナイト氏 : 私自身も10歳の息子がおり、「ハリー・ポッターと呪いの子」の舞台をロンドンで鑑賞してきました。やはり父と子の物語でしたから、それはそれは泣きました。もちろん私もファンですが、それ以上に誇れるのはハリー・ポッター: 魔法同盟の開発チームです。皆コアなファンで、アーティストやエンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャーといった皆さんは、ハリー・ポッターの世界をとても大切にしています。

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 このような開発チームなので、作中のホグワーツ魔法魔術学校の生徒たちが身に着けているマントやスカーフを着てくる日を設けて、カエルのチョコレートやハリー・ポッターケーキ、バタービールを作ったりと、ハリー・ポッターの世界を楽しみながら開発に取り組んできました。

“ハリー・ポッターらしさ”をゲームで表現

——それでは、「ハリー・ポッター: 魔法同盟」の内容や機能などについて詳しく教えてください。

ナイト氏 : 全体像をお話ししますと、プレーヤーの“分身”がゲーム内に魔法使いとして登場します。本来、魔法の世界は人間界から見えませんが、カラミティ(大災害)が発生したことで結界が破られ、魔法動物やアイテムがマグル(人間)に見えている状態になりました。つまり、魔法の世界の終えんを意味しますので、国際魔法使いの秘密連盟の1602条で定められた法律に反している状態を防ぎ、そもそもの発生原因を解き明かさなければなりません。

ヴィフィアン氏 : ゲームには、いかにもハリー・ポッター風の地図と、3つの建物が登場します。まずは呪文エネルギーを補給する「宿屋」。みんなでレイドバトルのように"魔法使いチャレンジ"を楽しめる「砦」。そして魔法の材料を集めて統合する「グリーンハウス(温室)」ですね。

 地図上には他にも多くの要素が散りばめられています。魔法薬の原材料となる植物の種や水、魔法使い(プレーヤー)同士のコミュニケーションを支援する手紙などです。そして"魔法の痕跡"をタップすると、"ファウンダブル"と魔法の世界との接触が始まり、プレーヤーは魔法をかけて魔法動物などを魔法の世界に返します。

ゲームのプレイイメージ
ゲームのプレイイメージ

——ゲーム内で"ハリー・ポッターらしさ"はどのように表現したのでしょうか。

ナイト氏 : ARモードでは、高解像度で精密に描き込まれた魔法動物や魔法の世界が360度に描かれます。まるで触れられるかのようにリアルな次世代グラフィックスですね。ヒッポグリフや組み分け帽子、スニッチ、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」に登場したニフラなど、おなじみのキャラクターが登場するので、ハリー・ポッター好きは楽しめるのではないかと思います。

ポートキー
ポートキー

 これ以外にも多くの機能を備えています。たとえば、魔法薬を通じて魔法をパワーアップさせることができるのですが、その鍵となるのが"ポートキー"です。ポートキーを手にするとハリー・ポッターの世界へ瞬間移動し、アンブリッジ先生のオフィスやハグリッドの小屋を訪れたり、ホグワーツ特急に乗ったりすることができます。リアルなハリー・ポッターの世界がスマホの中に現れるのです。

——ポートキーについて、もう少し詳しく教えてください。

ナイト氏 : Pokemon GOでセットした卵が一定距離を歩くとふ化する仕組みに似ていますね。ポートキーのカバンに鍵を差し込むと、箱が震えます。それを抱えながら2キロ、5キロ、10キロと歩けば、新たなポートキーが手に入る仕組みです。

 箱が空くと古いブーツが登場するので、それを地面のどこかに置くことで魔法の世界が隙間から見えます。そこに入って360度見て回りながら、隠されたオブジェクトを探し終えると現実世界に戻ります。

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