「Adobe Experience Manager」刷新--コンテンツ制作からクロスデバイス配信まで最適化

 アドビは2月22日、マーケティング総合基盤「Adobe Experience Cloud」において、マーケティング領域「Adobe Marketing Cloud」の「Adobe Experience Manager」がバージョン6.5になったと発表した。提供は4月を予定している。

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アドビ カスタマーソリューションズ統括本部テクノロジーソリューションコンサルティング部プロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタントの安西敬介氏

 今回のアップデートにより、Photoshopなどでクリエイティブを制作するときに、スムーズにデータ共有できる「Adobe Asset Link」を搭載したほか、ウェブに配信していたコンテンツを、アプリやデジタルサイネージへの配信もまとめて管理できるようになった。制作から配信までの効率化を実現する。

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今回のアップデートは、コンテンツ制作のワークフローなどを刷新する「Content Velocity」がテーマ

 Adobe Asset Linkは、 PhotoshopやIllustrator、InDesignなどでクリエイティブを作成する際に、Adobe Experience Managerのリポジトリに直接アクセスして、画像などのプレビューや編集、検索、コレクションへのアクセス、メタデータの参照が可能になる。画像をアップロードすると、自動でリサイズしたバージョンも作成し、デバイスに応じて各種配信してくれる。

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「Adobe Creative Cloud」との連携を強化。「Adobe Experience Manager」内の画像アセットを直接編集できるようになった

 ファイル共有サービスにありがちな、毎度アセットをローカルにダウンロードせずともデータを編集できるほか、だれがどのような編集をしたかをタイムライン形式で表示でき、そこからデータを前の状態に戻すこともできる。WindowsのエクスプローラーやMacのファインダーにマウントできる「Desktop App」により、ローカルドライブのようにデータを扱うことも可能だ。

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プレビューで画像などのBefore/Afterを一目で確認できるようになった。修正前の状態に戻すこともできる

アプリもサイネージも最適配信、動画は内容に応じてスマホ向けにトリミング

 アプリへのコンテンツ配信に対応すべく、GmailやGoogle Maps、Facebook、Nikeなどが採用している「シングルページアプリケーション(SPA)」をサポート。サイトをリロードせずに、差分のみ読み込みできるようになる。ヘッドレス配信を実現する「Content Services」により、モバイルアプリ、SNS、デジタルサイネージといったIoT機器など、クロスデバイスでの展開が可能だ。また、EC用のGraphQLやAPIにも対応する。

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モバイルやSNS、デジタルサイネージなど各種配信を実現する「Content Services」

 Adobe Experience Managerでは、HTML5とSPAの両方に対応することで「Hybrid CMS」をうたう。配信サイト内のコンテンツはSPAでコンポーネント化でき、JSON形式で配信。AngularやReactなどのJavaScriptのフレームワークに対応する。また、Adobe Experience Manager内のSPAコンテンツを直接編集できるオーサリングツール「SPA Editor」により、コードを入力せずにマウスでテキストの編集や画像の配置などが可能だ。

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HTMLとSPAを統括できる「Hybrid CMS」を目指す
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直でウェブサイト内のSPAコンテンツを編集できる「SPA Editor」

 横アスペクト比の動画から、スマートフォン向けの縦動画を自動生成する「Smart Crop for Video」も実装。AIプラットフォーム「Adobe Sensei」が縦にトリミングする際に重要と思われる箇所を随時トリミングし続けることで、横動画のコンテンツしか持ち合わせていない場合でも、スマートフォンへの動画配信を最適化できる。この技術は、クリエイティブカンファレンス「Adobe MAX 2018」のスニークプレビューでも開発中の機能として紹介されたものだ。

 また、各種アセットを効率よく検索できる「Visual Search」では、Adobe Senseiが行動、属性、対象物ごとにアセットをタグ付け。クリエイティブ制作時のアセットをより検索しやすくする。

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