高校生の間では、SNSアカウントを共有して「共同垢」として運営することが一般的となりつつあるようだ。共有する相手は、友だち、恋人、グループやサークルなど多岐にわたる。
特に多いのはカップルの共同垢だ。プロフィールに2人の名前を並べて書き、お互いに「◯◯です」などと名乗ってツイートすることが多い。「恋愛の記録になるし、浮気防止にもなるからいい」とある女子高生はいう。「リプライはお互いに自分宛てのものしか開かないことにしてるけど、間違えることが多い」。
「会ったことがない相手とアカウント共有している子もいるし、別におかしいとは思わない」。アカウントを共有することで、互いに信頼しあっているということを伝えることもできるという。「Kindleアカウント共有したり、Googleアカウント共有している子もいるみたい」という言葉には驚いた。
確かに、Kindleアカウントを共有したらお互いに所有する本が読めるというメリットがあるかもしれない。しかし、Googleアカウントを共有してしまうと、検索履歴や閲覧履歴など様々な個人情報が相手に伝わってしまい、デメリットが大きいように感じる。
今どきの若者たちは、アカウント共有に抵抗がないようだ。しかし、「別れたから共同アカウントの情報を削除したい」「共有されてしまったデータを相手の端末から削除したい」「共有垢の相手に勝手に名前などを変えられてしまって困っている」などの話は多く、問題は少なくない。
そもそもアカウントを共有してしまうと、相手に様々な個人情報を渡すことになり、トラブルのもとになりがちだ。子どもたちに個人情報について改めて考えさせると共に、思わぬ情報を他人と共有していないか確認しておくほうがいいのではないか。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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