IBM、爪に貼るセンサで健康状態を解析する試み--パーキンソン病の治療などに利用

 IBMは、手指の爪に装着するセンサから得るデータで病気の状況や健康状態を調べる技術を開発した。

爪に貼るセンサで健康状態を解析する(出典:IBM)
爪に貼るセンサで健康状態を解析する(出典:IBM)

 人間は、日常的に物をつかんだり押したりしており、こうした動作で生ずる握力などを測定すると、健康状態に関するさまざまデータが得られるという。特に、パーキンソン病や統合失調症、心血管性の疾病などを患っている人の検査に役立つそうだ。ただし、パーキンソン病患者の多くは高齢者で、肌に貼り付けるタイプのセンサは感染症などのリスクが高く使いにくい。

 そこで、IBMの研究チームは、肌よりも丈夫な爪を利用する技術を考案。手で物をつかむなどした際に生ずる爪のひずみをセンサで計測し、機械学習(マシンラーニング)を利用したシステムで解析した。日常的な活動で爪に生ずるひずみは数マイクロメートルと極めて小さいが、このセンサは十分検出できる。ちなみに、センサを装着して数字を書いてもらったところ、94%の精度で書かれた数字を認識できたという。

システム構成(出典:IBM)
システム構成(出典:IBM)

 爪に装着したセンサでひずみを測るほか、加速度計で手指の動きも調べ、集めたデータを無線通信で腕のスマートウォッチへ送る。そこで解析処理を施し、医療診断に役立てようとしている。

取り組みの紹介ビデオ(出典:IBM/YouTube)


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