サイバーエージェント藤田社長が語る「技術」への思い--今後の注力領域は - (page 2)

サイバーエージェントが今後注力する技術

ーーAbemaTVは主力事業の1つですが、2019年はどのようにサービスを伸ばしていくのでしょうか。

藤田氏 : 2017年は「27時間ホンネテレビ」など話題性がある番組を作りました。ただ、一過性で定着しないので、レギュラー番組を強化してきました。「オオカミくんには騙されない」シリーズなど、ヒット番組もできました。一方で、日本中で話題になるほどのものはできていないので、今後はそういうコンテンツを仕掛けたいと思います。

長瀬氏 : 技術的な面をお話しますと、実はここから2020年ぐらいにかけて裏の技術基盤を作り直す予定です。テレビはいつでも繋がっていて、可用性とか障害に強いし、どれだけアクセスが来ても大丈夫です。インターネットはベストエフォートという考え方になりますが、AbemaTVは映像配信のプラットフォームとして国内で一番優れているものを作ろうと、この1年気合いを入れて取り組んでいます。

ーーサイバーエージェントでは今後は、どの分野の技術に投資していくのでしょうか。

藤田氏 : AI分野です。人工知能を活用した広告配信技術の研究・開発を目的に「AIラボ」を設立しました。広告は今まですごく曖昧なものでしたが、ネットでビックデータが作れるようになって効果的に配信できるようになっています。ただ、アドテクはアウトプットが他のAIプロダクトに比べて地味といえば地味なので、やってる成果がアピールできるものも手がけていこうと考えています。

長瀬氏 : データとAIの技術は強化分野ですね。AIの領域の話でいうと、ゲーム管轄とAIのエンジニアが一緒にやるとか、社内でやっているAIの研究分野が様々な社内の事業と連携するような取り組みもスタートしていきます。社外的にも積極的にアウトプットしていきたいと考えています。

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ーー技術力を加速させるためには、優秀なエンジニアの採用も不可欠です。

長瀬氏 : 新卒は全社で一括採用して各部署に配属します。一方、中途採用は各部署で採用する方式です。海外エンジニアの採用はまだしていないのですが、これから日本語が話せなくても仕事ができる環境を整えていく予定です。社内で「CA English Hub」という英語しか話してはいけないスペースを設ける計画があります。

 (求めるエンジニアについては)弊社でも新卒のレベルが年々上がっていると感じています。それも、ただ優秀というだけではなく、裁量があります。すごい会社に入社するよりも、一緒にすごい会社を作ることが楽しいといってサイバーエージェントに入ってきます。採用人数の目標は年度で決めていますが、2020年は新卒採用を100名程度予定しています。2018年4月が45名なので、その倍ぐらいになりますね。

ーー最後に、サイバーエージェントの今後の展望を聞かせてください。

藤田氏 : 目に見える形で技術力の高さを示すことができる会社だと考えています。サーバーが全然落ちないなど、マイナス面が少ない会社を目指しています。使っていて快適であるとか、手放せないとか、他よりもクオリティが高いとか、そういう企業しか今後は生き残ることができません。世界一の水準のものを作れば、簡単に世界展開できる時代なので、そういったサービスを生み出せるようにしていきたいと思います。

長瀬氏 : 私たちは管轄含めて様々な事業を展開しています。グループで知識の共有、技術の資産化などを行い、シナジー効果を上げていきます。サイバーエージェントの技術力はすでに高いので、対外的にサイバーエージェントの技術ブランドを正しく出していけるように、力を入れていきたいと考えています。

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