もちろん、全員がプレイしているわけではなく、同ゲームに不満を感じる層もいる。たとえばさきほどご紹介した学生の友だちは、「人を殺すゲームだからやりたくない」と参加しないそうだ。彼自身、「スマホの容量を使う」「通信量がかかる」「バッテリーがすぐになくなる」などの不満はあるそうだ。
また、「荒野行動は面白いと思っていたけど、PUBGのパクリだから終わっちゃうって聞いた」と心配している子もいた。2018年4月に荒野行動などが著作権侵害に抵触するとして「PUBG」を運営するPUBG Corporationに訴えられている。
同ゲームには、キズナポイントを貯めて異性のフレンドと「恋人」になれる機能があり、恋人になっているユーザーも多いようだ。ある女子高生は、フレンドに「恋人機能ありますよね。ならないんですか?」と言われ、「相手がいないから」と言ったら、「俺となりませんか」と誘われたそうだ。
「自分も色々な人から出会い系メッセージはよくもらってた。出会い厨は多いと思う」と彼女は言う。TwitterやLINEの連絡先を交換したところ、会いたいというメッセージが頻繁にくるようになって困ったそうだ。また「フレンドになった相手から『会いたい』と言われて困っている友だちもいる」とも言っていた。
Twitterなどでは「荒野行動は出会い系アプリ」と言われることもあり、出会い系被害につながる可能性がありそうだ。ゲームを気晴らしやコミュニケーションとして利用することは悪いことではないが、保護者は子どもの利用状況を見守っておくと安心だ。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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