サムスンが新しい折りたためるGalaxyスマートフォンを、中国のRoyoleがやはり折りたためる「FlexPai」をそれぞれ発表する中、2019年には折りたたみ式スマートフォンが現実になるのは明らかだ。そして、有機ELスクリーンは以前から折り曲げ可能だったが、折りたたみ式製品は、そのスクリーンを保護するための曲がるガラスがなければ成り立たない。それこそが、Corningがガラスの柔軟性の限界を押し広げようとしている理由だ。
Corningで技術ディレクターを務めるPolly Chu氏は「曲げ半径を小さくするには、現在のガラスよりかなり薄いガラスが必要だ。Corningの研究室で開発しているガラスの中には、人の毛髪の直径より薄いものもある」と語った。
われわれは、開発中のCorningの曲がる超薄ガラスを見せてもらった。厚さは約0.1ミリで、曲げ半径5mmで紙片のようにほとんど半分に折ることができる。これは同社の初の曲がるガラスではないが、数年前に発表したガラス「Willow」よりもさらに薄く、柔軟だ。
実際に持たせてもらったが、それが薄いプラスチックではなく、ガラスシートだということがなかなか信じられなかった。
プラスチックも、折りたたみスマートフォンの画面保護素材の候補とみなされている。だが、傷に弱く折り目が付き、次第に色が変わるプラスチックと異なり、Corningのガラスは完全性を保ち、色も変わらないという。
CorningでGorilla Glass担当バイスプレジデントを務めるJohn Bayne氏は「傷に強く、落としても壊れず、視認性も手触りも良いという、現在のスマートフォンに求められる特性を考えると、保護素材としてはプラスチックよりガラスが勝っていると思う」と語った。
だが、Corningのガラスはまだ開発途上だ。つまりこのガラスを採用する折りたたみデバイスを目にすることはまだなく、市場に出るのは当分先のことになりそうだ。12月に出荷が始まる見込みのFlexPaiはディスプレイにプラスチックを採用しており、サムスンは折りたたみデバイスに透明ポリイミド樹脂を使っているといううわさだ。
Bayne氏は「折りたたみに求められるものは、いまのところまだ定まっていない。用途がはっきりしていないし、フォームファクタも明確になっていないからだ。こうしたことがはっきりしたら、適切なガラスはどうあるべきかを見るためにさまざまな素材を革新しなければならないだろう。製品開発はそれからだ」と語る。
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