フレンチテックDevialet、4分の1に小さくした新スピーカ「Phantom REACTOR」発表

 日本上陸からわずか2カ月、フレンチテック企業であるのDevialet(デビアレ)が11月22日、新モデル「Phantom REACTOR(ファントム リアクタ)」を発表した。現行機である「Phantom Premier」に比べ、サイズを4分の1にまで小さくした。

 Devialetは2007年に設立したフランスのスタートアップ。独自の「ADH(Analog Digital Hybrid)」により、アナログの音の良さとデジタルの効率性の高さを併せ持った増幅方式を採用していることが特長で、低音再生技術「HBI(Heart Bass Implosion)」とともに、サイズ以上の高音質再生を再生する。

「Phantom REACTOR」
「Phantom REACTOR」
「Phantom Premier」シリーズ(左)と「Phantom REACTOR」(右)のサイズ比較
「Phantom Premier」シリーズ(左)と「Phantom REACTOR」(右)のサイズ比較

 Phantom REACTORは、重低音再生やワイヤレス接続といったPhantom Premierの性能はそのままに小型化を実現した新モデル。「もう少し小さく、買いやすいモデルがほしい」というユーザーの声に応えて開発したという。

 前方から見ると円形、横から見ると楕円形をしたラウンドボディデザインはそのままに、高さ168mm✕幅157mm✕奥行き219mmで、重量約4.3kgを実現。ミドルスピーカを1つ、トゥイータを1つ搭載しているPhantom Premierに比べ、ミドルとトゥイータを1つのユニットに集約したほか、ADH技術を内蔵したチップに回路の一部を組み込むなど高密度化することで、コンパクトボディを目指した。

ADH技術を内蔵したチップ
ADH技術を内蔵したチップ
Devialet本社 General Manager APACのジュリアン・ベルジェル氏
Devialet本社 General Manager APACのジュリアン・ベルジェル氏

 Devialet本社 General Manager APACのジュリアン・ベルジェル氏は「小型化は大きなチャレンジだったが、Devialetはチャレンジすることが大好きな会社。Phantom REACTORは内部の部品も小さくするため、今までの工場では製造するのが難しく、新工場を設立した」と小型化を実現できた背景を話す。従来のDevialetモデル同様、Phantom REACTORも本拠地であるフランスで開発、生産のすべてを行っている。

 ウーファーを左右に1つずつ備えた構造はそのままに、アナログ音声、光デジタル入力を装備。AirPlay、UPnP、Spotify Connectにも対応し、音楽ストリーミングサービスも利用可能だ。Devialetアプリから各種操作ができるほか、本体にも操作ボタンを配置。LEDも搭載することで、本体のみでの操作、状態の確認ができるようになった。

 600Wの「Phantom REACTOR 600」(価格:15万9000円)と900Wの「Phantom REACTOR 900」(同:19万9000円)の2モデルをラインアップ。現行のPhantom Premierと合わせ、計6モデルをそろえる。

リアパネル。操作ボタンを搭載した
リアパネル。操作ボタンを搭載した
ラインアップ
ラインアップ
蔦屋家電エンタープライズ 代表取締役社長の武井総司氏
蔦屋家電エンタープライズ 代表取締役社長の武井総司氏

 10月10日にフランスと米国で発売したことを皮切りに、世界展開を進めており、日本には約6週間後に上陸。「Phantom Premierは日本市場に導入するまで約3年間を費やしたが、新モデルは約6週間にまで短縮。ここからもわかるように日本市場には非常に期待しており、展開をスピードアップしていく」(ベルジェル氏)とし、先行するPhantom Premierの販売も好調だとした。

LINE 執行役員事業戦略室室長の室山真一郎氏
LINE 執行役員事業戦略室室長の室山真一郎氏

 先行販売は、伊勢丹新宿店に加え、二子玉川 蔦屋家電と一部の店舗にて実施する予定。蔦屋家電を運営する蔦屋家電エンタープライズとは、ブランディングサポート契約を結んでおり、蔦屋家電を軸にCCCグループとして、蔦屋書店やTサイトなどへも販路を広げていく計画だ。

 蔦屋家電エンタープライズ 代表取締役社長の武井総司氏は「Phantom REACTORは体験することが大事な商品。一気に広げるのではなく、体験できることに重きを置きながら展開していきたい」と戦略を話した。

 発表会には、フランスのベンチャーキャピタルKorelya CapitalのK-Fundを通じてDevialetにNAVERと共同出資する、LINE 執行役員事業戦略室室長の室山真一郎氏も登場。「アプリのLINEがDevialetに出資した理由は高い技術力を持っていたから。この小さなボディは技術の塊で、100を超える特許が詰め込まれている。オーディオ業界のゲームチェンジャーになりうる企業」と評した。

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