初代Androidデバイス開発秘話--HTC創業者が語るルービン氏との出会い - (page 2)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 編集部2018年09月30日 07時30分

SidekickはHTC製になっていたかもしれない

 Chou氏によると、Rubin氏との最初のやり取りは、Rubin氏が最初に創業したDangerとHTCによるSidekick製造についての話し合いだったという。

 HTCによるSidekick製造は実現しなかった。この取引はシャープが獲得した。

ディナーで語り合ったスマートフォンの未来

 Rubin氏がDangerを離れ、Androidを創業した後、Androidの共同創業者の1人であるRich Miner氏がChou氏とRubin氏のディナーをバルセロナでセッティングした。当地でのMobile World Congress開催期間中のことで、スマートフォンの未来を話し合うのが目的だった。世界中の通信キャリアと協力していたChou氏は、Miner氏が仏通信大手Orangeに在籍していた頃に面識があった。Miner氏は、Chou氏とRubin氏が会うべきだと考えた。

 Chou氏とRubin氏はすぐに意気投合した。

 「私たちは、どうすれば一般消費者のためにモバイルインターネット体験を改善できるかというビジョンについて語り合った」とChou氏は語った。2人はスマートフォンのユーザー体験はまだまだだという不満を共有したという。当時、Windows Mobileのような多くのスマートフォン用OSはスタイラスか、かなり細い指先が必要で、フルのウェブブラウザを使えたのはiPhoneだけだった。

そのディナーは決定的なものになった

 数カ月後、GoogleがAndroidを買収した。Googleは、新しい携帯端末のためのプラットフォームを提唱し、関連するメーカーやキャリアを集めるグループ「Open Handset Alliance」を立ち上げた。だが、Rubin氏はHTCとの協業を続けると言った。

 Motorolaのようなビッグネームがアライアンスに参加してきても、Rubin氏は立ち上げのパートナーはHTCだと主張した。

 当時、主に他社のブランドをつけた携帯端末を製造していたHTCにとって、これは極めて重要な取引だった。G1スマートフォンは、HTCのブランドを世に知らしめるものになろうとしていた。

最初のAndroidスマホに取り組むまでに1年かかった

 Chou氏は、HTCの約50人のエンジニアをGoogle本社に送り込み、Googleのチームと協力させた。ソフトウェアとハードウェアをシームレスに稼働させるのが目的だった。

G1はAndroid専用だった
G1はAndroid専用だった
提供:Angela Lang/CNET

 「あれはすばらしいパートナー体験だった。そして、私たちが失望することはなかった」(Chou氏)

 だからこそ、HTCは最初にAndroidに独自スキンを載せた企業の1社になったのだろう。「HTC Sense」はAndroidの上に載せ、より魅力的なユーザーインタフェースを提供するスキンだ。さらに、2017年の10億ドルの取引で、多数のHTC従業員がGoogleのPixelチームに統合されたことを予言していたとも言える。

「Dream」はAndroidのためだけに設計した

 Chou氏は、プロトタイプのDreamはG1のためだけに設計したと主張した。デザインの特徴や素材が同じなため、このプロトタイプは当初はWindows Mobileデバイス向けだったのではないかといううわさが後を絶たないのだが。

G1はiPhoneの真似ではない。本当に

 スマートフォンの流れを最初に作ったのはAppleだが、Chou氏はG1の開発について、iPhoneの影響を受けてはいないと語った。

 「われわれはiPhone発表より前からG1に取り組んでいた。iPhoneを見て、似たようなものを作ろうとしたわけではない」(Chou氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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