Chou氏によると、Rubin氏との最初のやり取りは、Rubin氏が最初に創業したDangerとHTCによるSidekick製造についての話し合いだったという。
HTCによるSidekick製造は実現しなかった。この取引はシャープが獲得した。
Rubin氏がDangerを離れ、Androidを創業した後、Androidの共同創業者の1人であるRich Miner氏がChou氏とRubin氏のディナーをバルセロナでセッティングした。当地でのMobile World Congress開催期間中のことで、スマートフォンの未来を話し合うのが目的だった。世界中の通信キャリアと協力していたChou氏は、Miner氏が仏通信大手Orangeに在籍していた頃に面識があった。Miner氏は、Chou氏とRubin氏が会うべきだと考えた。
Chou氏とRubin氏はすぐに意気投合した。
「私たちは、どうすれば一般消費者のためにモバイルインターネット体験を改善できるかというビジョンについて語り合った」とChou氏は語った。2人はスマートフォンのユーザー体験はまだまだだという不満を共有したという。当時、Windows Mobileのような多くのスマートフォン用OSはスタイラスか、かなり細い指先が必要で、フルのウェブブラウザを使えたのはiPhoneだけだった。
数カ月後、GoogleがAndroidを買収した。Googleは、新しい携帯端末のためのプラットフォームを提唱し、関連するメーカーやキャリアを集めるグループ「Open Handset Alliance」を立ち上げた。だが、Rubin氏はHTCとの協業を続けると言った。
Motorolaのようなビッグネームがアライアンスに参加してきても、Rubin氏は立ち上げのパートナーはHTCだと主張した。
当時、主に他社のブランドをつけた携帯端末を製造していたHTCにとって、これは極めて重要な取引だった。G1スマートフォンは、HTCのブランドを世に知らしめるものになろうとしていた。
Chou氏は、HTCの約50人のエンジニアをGoogle本社に送り込み、Googleのチームと協力させた。ソフトウェアとハードウェアをシームレスに稼働させるのが目的だった。
「あれはすばらしいパートナー体験だった。そして、私たちが失望することはなかった」(Chou氏)
だからこそ、HTCは最初にAndroidに独自スキンを載せた企業の1社になったのだろう。「HTC Sense」はAndroidの上に載せ、より魅力的なユーザーインタフェースを提供するスキンだ。さらに、2017年の10億ドルの取引で、多数のHTC従業員がGoogleのPixelチームに統合されたことを予言していたとも言える。
Chou氏は、プロトタイプのDreamはG1のためだけに設計したと主張した。デザインの特徴や素材が同じなため、このプロトタイプは当初はWindows Mobileデバイス向けだったのではないかといううわさが後を絶たないのだが。
スマートフォンの流れを最初に作ったのはAppleだが、Chou氏はG1の開発について、iPhoneの影響を受けてはいないと語った。
「われわれはiPhone発表より前からG1に取り組んでいた。iPhoneを見て、似たようなものを作ろうとしたわけではない」(Chou氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」