──Fitbitが2014年に日本で本格参入をして4年がたちます。日本市場になにか変化は感じますか?
ほかの国と比べて日本は、市場全体としてはまだあまり進展がありません。日本の経済規模と比べると市場はまだ小さいと思います。
でも、この12~15カ月の間に非常に急速に伸びており、伸びも加速しています。日本はそもそも世界第3位の経済大国です。人口も多く、まだ市場規模が小さい中で、成長の加速が見られ始めてきているので、今後の成長に大きく期待できます。
実際に、これまで12~18カ月の間、売上げ自体は伸びてきました。アジア太平洋地域の中で、日本は売上げでも台数でも第2位になってきています。
──この12~18カ月で伸びてきた背景を、どう分析していますか。
Fitbitのカテゴリ育成の成果がでてきたからだと思います。これまでの自分の経験を振り返ると、どの国でも成長するためには、まず最初に消費者が製品に関心を持つところからスタートし、購入し、使うようになっていきます。そのためには、カテゴリの育成をしなければなりませんが、その土台が出来上がってきたのではないかと思っています。
日本では、2014年に参入しはじめ、ある程度の時間がかかりましたが、時間をかけながら小売り流通の土台、企業との関係を構築してきました。そうして、よく売れているデバイスの中のトップ10のうちトップ5に入るようになってきました。
これまで14カ国で市場を立ち上げ、各国の成長を見てきましたが、成長に必要な要素があって、そこがうまくいくようになると加速が見られるようになっていきました。香港やシンガポールでも、同様の経験をしました。同様のことが、日本でもいま起きているのだと思います。
──日本ではスマートフォンとしてAppleのiPhoneが人気で、スマートウォッチとしてApple Watchも展開しています。それに対してどう対抗するのでしょうか。
まず最初のポイントとして、市場規模は十分に大きいということが言えます。ウェアラブル市場は2021年までに2億2000万台を超える台数になると予想されています。1社よりも多くの会社が成功できるだけの余地は十分にあるのです。
彼らの日本におけるヘルス&フィットネスのフォーカスは、よりカテゴリの中の成熟したセクタを見ているようです。ただ、フィットネストラッカーとして考えると、われわれは日本で約60%のシェア(GfK調査)をもっており、明確にナンバーワンです。ただ、スマートウォッチとなると、私たちのシェアはずっと小さくなります。ほかの国で経験してきたように、スマートウォッチでもシェアをどんどん高めていきたいと考えています。
──2007年のスタートから10年以上がたち、心拍計やフィットネストラッカーとしての機能、スマートフォンとの連携などある程度成熟してきたようにも思えます。今後はどういった機能を重視し、どう成長させようとしていますか?
この12カ月で最も成功したのは、ソーシャルフィード(Fitbit コミュニティ)と女性のためのヘルスケア機能です。ソーシャルでは、私たちのフィードに対し2000万人が参加していますし、70%のいいねや応援が返ってきています。また、500万人が関心を持つグループに参加しています。
ソフトウェア+デバイス+ソーシャルネットワークは、デバイス以外にも多くの部分でイノベーションをもたらす余地があると思います。
それから、私たちに今後大きな違いをもたらすと思われる一つの分野が、生活習慣病の分野です。
たとえば、最近Twine Healthという会社を買収しました。これはパーソナルコーチングのプラットフォームを提供する先進的な会社です。糖尿病の予防や対策のコーチングなどのプログラムを提供できます。
Twine Healthはデータを持っていますが、ある程度限られていました。一方のわれわれFitbitというブランドもありますし、データも豊富に持っています。両社を組み合わせれば、データも豊富になり、自動化されたコーチングプログラムで糖尿病の予防と対策をすることが可能になります。
さらには、Googleと提携し、データをGoogleのクラウドサービスに保管することが可能になりました。それによりGoogleのAPIにアクセスできます。そうすると、グローバルベースでTwineの機能をスケーリングできるようになります。
また、データをGoogle上に保管しているということを考えると、さまざまな電子的な医療記録、健康記録、患者の記録などに、直接われわれが入っていくことが可能になります。
健康でいるのは大変で、難しいことでもあります。糖尿病だけでなく、心臓病、睡眠時無呼吸症候群、うつ、メンタルヘルスの分野で、私たちのプラットフォームやエコシステムは貢献できると考えています。
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