そして2つ目の柱が「人工知能(AI)」だ。これは入院中の患者の予期せぬ病態の悪化をAIによって予測するもの。実際に成果をあげているという。
これまでにも患者の症状悪化に対応するためのツールはいくつかあったが、予測に時間がかかったり、正確性に欠けるものが多かったという。そこで導入したのが「Ochsner-AI」を使ったソリューションだ。
心拍や、検査結果、看護評価、心エコー検査などを含む10億以上の臨床データポイントを使用して、リカレントニューラルネットワークを作成。患者が一定のリスク閾値を超えるとApple Watchにリアルタイムで通知が届くしくみだ。
これにより、90%近くの精度をもちながら4時間先の状況を予測でき、その4時間を効率よく使って急変に対応するための“ラピットレスポンスチーム”を結成することにしたという。
「米国では一般的に、院内で患者の状況が悪化し、心不全を起こした場合、75%が亡くなり、呼吸停止の場合は40%、敗血症の場合は10%が亡くなる。どうしたら患者の状況が悪化するのを止められるのか。それがAIを使ったアプリケーションを使う理由」と説明する。
そうしたしくみにより、急変にいち早く対応できるようになり、博士の病院では90日間の試験期間で、従来よりも死亡率を44%削減。このスピードで対応できるのは、看護師とドクターとのコミュニケーションも効率がアップしたからだ。
従来の紙と鉛筆、PHSでの連絡ではなく、デジタル機器を活用したコミュニケーションだからこそ実現できたとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境