なぜシャープがペット事業なのか。シャープ専務執行役員 スマートホームグループ長 兼 IoT事業本部長の長谷川祥典氏は、シャープが目指す、IoTスマートライフの一環だと説明する。
「国内の犬・猫の飼育頭数は、15歳未満の子供の数を大きく上回る。8割が室内飼いで、ペットの家族化が進んでいる。家族の一員のペットにもスマートライフを提供するにはどうあるべきかを考え、ペット事業に参入した。中でも、ビジョンのAIoTとの親和性の高いヘルスケアに注目した」と語った。
鳥取大学の岡本芳晴教授によれば、猫の寿命は、1990年と比べると2014年時点で5.1歳から11.9歳と倍以上に伸びているという。長寿命化に伴い、猫の疾病で増えているのが泌尿器系の病気だ(保険請求割合から分析)。
岡本教授は、「飼い主からの正確な問診が診断をする上で大きなウェイトを占めるものの、泌尿器系の病気は、尿の量や色、回数を聞くが、日中は飼い主が家にいないため観察が不可能な場合も多い。猫の場合は病院に来るだけでストレスを感じることが多く、十分な聴診や触診ができないこともある。(ストレスの影響から)犬と比べて猫はそもそも病院に連れて来ず、進行して初めて病院に来るケースが多い」と説明し、獣医師の視点で排せつを定点観測する重要性を説いた。
また、多頭飼いの場合は、どの猫が調子が悪いかの判断が難しくなるが、モニターの情報を得ることで、容易に把握できるとメリットを語った。
犬も同様に寿命が延び、高齢化が進んでいる。飼い主の気づきに依存しているが、早期発見が重要になるのは犬も猫も同様だ。
大阪府立大学の島村俊介准教授も、「病気は早期発見が大事。言葉が話せないため、前兆がつかみにくく、健康診断も普及していない。健康状態を見守る橋渡しをし、病院につれてくるきっかけになれば」と語った。
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