――イノベーション・ビルディングプログラムはどんな内容になっているのでしょう。
イントレプレナーとして重要な3つの要素「ダイバーシティ」「ビジョン」「コミットメント」を提供するためのコンテンツを用意しています。
人間は基本的に同質性を好みます。同じ行動をし、同じような環境であることに安心感を覚えることがありますよね。しかしイントレプレナーに必要なのは、さまざまな価値観に触れ、新たな情報を吸収し、アイデアを多方面の視点から叩いていくこと。ダイバーシティに富んだ環境に身を置くことが重要です。
また、自分で新たな価値をどんどん開拓し、未来像をきちんと描けるビジョンを持つことも大事です。加えてダイバーシティの環境に身を置き、そこでビジョンを持ち、それをやりきるという意志であるコミットメントを持つことで、新規事業を生み出せると考えています。
今回のプログラムでは、この3つの要素を身につけることで、事業化に至る壁を突破する力を育てます。具体的には、電通、EY Japan、三井不動産の3社から専属の「伴走コンサルタント」をアサインすることで、イントレプレナーの活動を支援していきます。コンサルタントは、私も含め大手企業の中で新規事業を立ち上げたり、オープンイノベーション活動を行ったりという経験を持つ人材をそろえていますから、対話を通じて「こういう流れならばこうできる」「こんなアプローチの仕方がある」といった方法論を提示できると思っています。
イノベーションを生み出すには「戦略整理」「探索・マッチング」「協業・共創」の3つのフェーズがありますが、各フェーズを一気通貫し支援する、伴走コンサルタント方式により、あらゆる段階における疑問、不安などを一緒に解決していきます。
――メンター的役割も担われる印象ですが。
そうですね。コンサルタントというよりはメンタリングやカウンセリングに近い立場なのかもしれません。例えば、私は三井不動産の中で課題をクリアしたり、新規案件を通すことはある程度できますが、それは十数年勤めてきた経験値から得たことです。
このやり方は一般化できませんが、考え方やヒントの提示はできます。そういう発想の仕方みたいなものを提示できることが大事だと思っています。難題にぶつかったときに、後押しする力としても機能していきたいと思っています。
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