だが、実際にはこれを何に使えるのだろうか。Royal Caribbeanによると、開発中のiPadアプリに加えて、空港などの施設に円形ゲートを使ったポップアップストアを設けることも検討しているという。そういった施設では他にすることもなく、いわゆる「とらわれの聴衆」となり、目を引く無料広告をちょっと体験しようということになるかもしれない。
あるいは、客船の上でなら使い道があるかもしれない。Royal Caribbeanは、保有する客船の改修に9億ドル(約950億円)をかけ、脱出ゲームやレーザータグから、VRエンターテインメント体験まで各種の設備を導入しようとしている。これからの客船には、2017年に登場したような、さらに進んだ没入型のコンセプトも導入されるだろう。客船に乗るというのも、やはり「とらわれの聴衆」だ。のんびりした船上の一日、仮想世界で次の寄港地に向かうというのもいいだろう。
このイベントのデモンストレーション自体に、驚くようなことはなかった。画像の描写は動きに乏しく、テレビゲームのように人工的だった。円形ゲートを通ったら、フォトマップからビーチカバナをリアルタイムの3D表示で映し出した実際の島に入り込めたり、ARの絵はがきを自宅に送れたりするのではないかと期待していた。まだそれは、遠い未来の姿なのかもしれない。
結局、寒風吹きすさぶ冬のマンハッタンに戻った筆者に残ったのは、ラム酒を飲んだほろ酔いと、Royal Caribbeanのロゴが入った記念品のビーチタオルだけだった。拡張現実のビーチから、凍てつく現実世界に戻ってくるのは、なかなか大変だったが、少なくとも靴に砂は入っていなかった。
こちらの記事では、この仮想ツアー体験を写真で紹介している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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