スマートフォンネイティブが見ている世界

体操着で撮る「#ジャージプリ」も--盛り上がる卒業進学インスタ - (page 2)

新生活の友はTwitter・LINEで作る

 2018年もTwitterでは、進学先が同じ人に対してTwitterでの相互フォローを求めたり、LINEグループ参加者を募集する姿は非常に多く見られる。「#春から慶應」「#春から明治」「#春から立教」などの大学名でつながる方法はかなり普及している。なお、このハッシュタグはInstagramでも見られるが、こちらはクラブなどで新入生募集のために使われることが多いようだ。

 確認すると、ほとんどが大学専用に新しくアカウントを作り直した「大学垢」。フォロワーが少なく、最初の投稿が「◯◯大△△学部□□学科に合格しました!気軽にフォローしてください。よろしくお願いします!」というものが多い。

 「高校の友だちは大学の話に興味がないと思うから」「人間関係は一新したいから」「ボッチは怖いけど、過去のことは知られたくないから」などの理由で、大学垢で新しい人間関係を築こうとしているようだ。「大学1年の時はTwitterで知り合った人にもらった情報でかなり助けられた」と大学生に聞いたことがある。ボッチも怖いし、情報がないのも怖いのがいま時の学生というわけだ。

個人情報が丸見えの「#卒業証書」も 個人情報が丸見えの「#卒業証書」も
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 卒業・進学時に活躍するのはTwitterだけではない。大学などを卒業して地元に帰るなど、友だちが日本全国に散らばる場合は、就職する地方ごとにクラスLINE支部ができていると聞いた。関東組、関西組、中国組など、同じ地方に行った友だち同士で協力し合うという。「同じ会社に就職する仲間はTwitterで集められないし…」と言っていた。

 一方、InstagramやTwitterなどで進学先の友だち募集のために、「#春から◯◯大」のハッシュタグとともに、卒業証書写真を「#卒業証書」などのハッシュタグをつけて掲載しているケースを複数見かけた。確かに大学垢にはニセモノも混じっている。卒業証書で本当に進学することは確認できるが、本名や学部などがしっかり写っており非常に心配になる。

 卒業・進学・進級シーズンは別れと出会いの季節であり、人間関係が一新される時でもある。SNSを情報源にして友だちとつながる10代の子たちは、別れを惜しみ、新しい人間関係を築こうと努力している。どちらも悪いことではないが、必要以上に個人情報を出しすぎることがないよう、周囲の大人はアドバイスしていただけると幸いだ。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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