Siriは、基本的で日常的な質問には、AlexaやGoogleアシスタントとほぼ同等に答えられた。天気予報、近くの映画館への車での所要時間、出前をしてくれる地元レストラン名、最新ニュース、HomePodで再生中の楽曲の曲名などについて、Siriは的確に答えてくれた。
Siriは、関連質問と自然言語による質問で優秀だった。例えば、「ロックバンドのメタリカについて教えて」と尋ねてから、「ドラマーは何歳?」と「メタリカの」と言わずに質問できた。Googleアシスタントもさまざまな自然言語での質問にうまく対応する。Alexaは、会話のような関連質問はあまり得意ではない。
だが、HomePodのSiriは幾つかの質問で混乱した。「ケンタッキー州の先任上院議員は誰?」と尋ねたところ、Siriは「HomePodではその質問に答えられません」と言った。同じ質問をiPhoneのSiriにしたところ、関連するWikipediaのリンクの内容を読み上げた。つまり、Siriは情報は得られるが、HomePodではまだそれを読み上げられないのだ。ただし、Siriに「Mitch McConnellとは誰?」と尋ねると、正しく答える。AlexaとGoogleアシスタントはいずれの質問にも問題なく、自分の声で答えた。
Siriは基本的な質問に答えられたり答えられなかったりした。たちどころに答えることもあれば、まったく答えられないこともあった。
HomePodでは「Hey Siri」を使い、「HomeKit」対応のスマートホーム端末をコントロールできる。HomePodを設定する時に、自宅のWi-Fiネットワーク、自分の連絡先と設定の全情報がHomePodに自動的に送信される。そこにはiOS端末で設定してある既存のHomeKit対応製品の設定も含まれる。非常にシンプルだ。
Appleによるスマートホーム製品の統合は非常に厳密なので、スマートブラインドを開いたり、サーモスタットを調整したり、照明を点灯したりといった操作を「Hey Siri」コマンドで指示するのは簡単だ。Appleはそれらの家電をすべて直接サポートしているのだ。それに対して、AlexaとGoogleアシスタントではあらかじめサポートしていない家電に命令するための「呼び出し名」を使う。たとえば、「Alexa、『Geneva』に食器洗いがいつ終わるかきいて」というように。Alexaはまだ食洗機のためのコマンドを搭載していないが、少なくとも家電メーカー側が対策を提供できる。今のところ、Appleはそうした家電メーカーとのパートナーシップを持たないことで、Alexaのようなぎこちないフレーズを使わないようにしている。そうすることですっきりしたユーザー体験を確保してはいるが、使える製品は限られている。
Siriは、自然言語への対応という点では優秀だが、AlexaとGoogleアシスタントの深さと広さにはまだ届かない。HomeKit対応家電を「Hey Siri」で制御できるのは気に入った。AlexaやGoogleアシスタントでの家電制御で呼び出しの言葉を唱えなければならないより良い。だが、Appleがサポートするサードパーティー製家電の数は、ライバルたちよりはるかに少ない。また、Siriにはもう少しウェブで入手した情報を声に出して言えるようになって欲しい。
もしAppleが公式にHomeKit端末での「MFi(Made For iPhone/iPad/iPod)」プログラム認証を終了すれば、現在は限られている対応製品の数は増えるだろう。だが、今春にiOS 11.3が公開されるまでは分からない。それまでは、Alexaがスマートスピーカ市場を支配し続けると筆者は思う。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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