専用機やPCを必要とするVRハードウェアがある一方、モバイルVRはスマートフォンを必要とする。それを変えつつあるのが、モバイルプロセッサを内蔵した自己完結型のヘッドセットだ。GoogleとLenovoが開発したMirage Soloヘッドセットは、間もなく発売予定の「Oculus Go」と共通点がある。どちらも、スマートフォンなしですぐに使える単体製品ということだ。Mirage Soloにはさらに奥の手が用意されている。カメラを利用した、限定的な位置トラッキング機能だ。サポート対象のGoogle Daydreamアプリを使いながら、前かがみになったり、しゃがんだり、何歩か歩いたりできる。こうしたスタンドアロン型のモバイルヘッドセットは、学校などで人気になる可能性がある。公共でのVR映写やVR体験にも適しているし、VR対応のハイエンドスマートフォンを持っていないユーザーにも人気を博すかもしれない。
「Google Glass」の技術が登場したのは、大昔のことのように感じられる。それでも、スマートグラスの多くは、今も基本的に変わっていない。片目用のディスプレイを眼前に装着するタイプで、カメラが内蔵され、何をするにも制御は楽ではない。「Vuzix Blade」は、Amazon「Alexa」の搭載を発表した世界初のスマートグラスだ。音声制御でメッセージを確認したり、コネクテッドデバイスを操作したりできるほか、高速で情報にアクセスできる。Vuzix BladeでAlexaがうまく動くのかどうか、デモを体験する機会はなかったが、筆者は懐疑的だ。中国のAI企業Rokidも、「Rokid Glass」で同じようなアイデアを試みている。音声アシスタントはARの発展に貢献するのだろうか。目下のところ、まだいずれも試験段階と見られ、明確な答えは出ていない。
拡張現実と複合現実のヘッドセットは、まだ数百ドルないし数千ドルという高値であったり、存在すらしていない場合もある(Magic Leapもそうだ)。最も有力なのは、Appleの「ARKit」やGoogleの「ARCore」を利用する、スマートフォン接続型のおもちゃなのかもしれない。Mergeの「6DoF Blaster」は、ゲーム用光線銃レーザータグの生まれ変わりのようなもので、「iOS」と「Android」のどちらでも、マルチプレーヤーで遊ぶことができる。筆者がCESの展示会場で試したARデモのなかで、とりわけスムーズな動きだった。
Oculusの次世代ハードウェアが、間もなく登場する。Magic Leapも、2018年にはハードウェアを世に送り出す計画だ。ほかにも、びっくりするようなものが控えているに違いない。VRとARはまだまだ進化の途上だ。次の大きな一歩が、今すぐにあるわけではない。だが、以前よりその一歩はだいぶ近づいてきたように感じる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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