ウェブサイトで読まれる文章には、紙媒体とは異なる書き方や見せ方が要求される。とくに「モノを売る」ことが目的の場合、それが顕著だ。そのため、ウェブで「魅せる」デザインとは何か、ウェブで読んでもらえる文章とは、ウェブでモノを売る場合のマーケティングについての本は数多く出版されている。そのような中で本書は、「女性」に的を絞った画期的な指南書だ。
デザインに関するアドバイスももちろんあるのだが、文章に関するアドバイスがとくに実用的だ。たとえば、「スマートフォンのカメラ機能の説明例」では、とにかくスペックのすごさについて並べ立ててしまいがちな売り文句を、女性向けに書き換えているが、その結果を見るだけで「なるほど」とうなる。一度読めば、その自社サイトとの違いがはっきりわかるはずだ。
「プロローグ」に「理論では説明しにくい女性独特の感覚」とある。女性本人に聞いても、説明しにくいことで、自分自身でも気づいていないために説明のしようがない、ということがあるのだ。これは筆者自身が女であるためによく分かるのだが、本書は、そうしたもやもやを分析して言語化し、さまざまな角度から論理的に解説している。本書が「画期的」と言えるゆえんだ。
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