サイボウズ、三浦市農協と「農業IT化」を推進--出荷物を自動で振り分け

 サイボウズは6月19日、神奈川県の三浦市農業協同組合と、三浦市における農家の収益安定化を目的とした農業のIT化推進で連携すると発表した。

 第一弾の取り組みとして、5月1日より神奈川県内で初めての有線放送代替システム「アグリコネクト三浦」を運用している。アグリコネクト三浦は、サイボウズのkintoneを基盤とした市況や概況などの情報を共有するプラットフォーム。市内の約80%の農家が採用しているという。また、第二弾として「出荷物の自動振り分けシステム」の構築を予定している。


アグリコネクト三浦」の画面

 三浦市農協では、1957年から運営していた野菜の概況や市況(単価)を各農家へ報告する「有線放送システム」の老朽化が進んでいたという。また、有線放送の維持費が高く運営困難な状況となっていたため、代替システムを検討。そうした中で、kintoneの低価格・容易性が評価され、採用に至ったという。

 サイボウズによると、アグリコネクト三浦の導入説明会後の1週間で、市内農家の約77%にあたる633件の申し込みがあったという。5月末時点での導入数は651件。

 システム利用のための端末は、三浦市農協から農家へと無料配布され、kintoneの月額利用料については農家が負担している。同社では、同システムを導入することで、概況や市況などの情報が素早く共有でき、農作物の価格を安定させる出荷計画などが可能としている。これにより、農家の収益安定化に貢献するという。


「出荷物の自動振り分けシステム」のイメージ図

 また、農業IT化連携の第二弾として出荷物の自動振り分けシステムを構築する予定。通常、各農家からの出荷情報を出荷所がとりまとめ、出荷情報をFAXで受け取った農協が手作業で約50の市場への出荷物振り分けプランを作成していたが、同システムにより出荷所でkintoneに出荷情報を入力すると、出荷物振り分けプランが自動生成されるようになる。

 これにより、作業時間が1日あたり5~6時間削減できるという。同システムは7月より実証実験が開始され、12月頃からの本格的な運用開始を予定している。

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