すららネットが改善したいと考えているのは、子どもたちの学力だけではない。同社が日本、インドのみならず世界中で大切にしている価値観には「規律と自立学習」がある。
生徒が学習内容を定着させ、学力を高めるには、授業に参加していればそれで十分というわけでない。集中して授業を受けることはもちろん、学外でも自主的に学習すればさらに向上できる。そのためには、子どもたちが規律を身につけ、自立して学習できるようになることが肝要だ。
そのために同社は、「整列しての教室移動」「机の上や靴箱の整理整頓」「教室へ入る前にきれいに手を洗う」といった日本式の規律教育を、海外のサービス導入校でも実践するよう促している。
その重要性はインドの教員や保護者たちにも浸透し始めており、学校によっては日本式の「起立、礼、着席着席、礼」や「おはようございます。ありがとうございました」のような挨拶をそのまま日本語で取り入れているところもあるそうだ。
さらに、生徒には学習管理表を提供しており、生徒はその日勉強する単元を自分で考え、Surala Ninja!が1ユニット終わるたびにドリルの正答率などを記録する。そうすることで、生徒は「自分は次に何をすべきか」を考える習慣が身につく。教員の負担軽減にもつながるというわけだ。
「算数や理科ができればそれでよいというのではなく、子どもたちの人としての成長も含めてサポートするサービスとして、今後もSurala Ninja!を提供していきたい」と、すららネットの海外事業担当の藤平氏は語る。
冒頭で述べた通り、確かにインドはこれまで多くの高度人材を輩出してきた。しかし、そうした人たちは全国民13億人のうちたった1%以下の恵まれた人たちだ。その裏には、大勢の良質な教育にアクセスできない子どもたちがおり、10年後、20年後のインドの未来を担っていくのは、そうした子どもたちである。すららネットのインドへの今後の貢献に期待したい。
(編集協力:岡徳之)
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