logo

行動と影響の深い関係がわかる翻訳書3選--GW明けから行動が変わるかも

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ゴールデンウィークに、多少まとまった時間が取れるなら、「日ごろから不思議に思っていたけれど、とくに掘り下げて考えたことがなかった」ということを、深く掘り下げて考えてみるのもいいかもしれない。例えば人の行動に関する不思議に迫る本はどうだろうか。自分も含めて、人の行動は、「運」といった偶然によることだったり、「微生物」によるものだったり、誰かの影響を受けていたりと、まったくもって、不思議なことだらけだ。こうした人間の行動に関する本の中でも、読み応えのある翻訳書は、時間のあるときにじっくり読んでみるのに最適だ。

その変化“小さいモノ”の仕業かも--「心を操る寄生生物」


「心を操る寄生生物」

 本書に書いてあることは、かなり衝撃的なことかもしれない。なにしろ、ある種の寄生生物に寄生されることによって、生き物の好き嫌いや行動そのものが左右されることがある、という話なのだ。小さな昆虫が、寄生生物に寄生されると、本来暗い場所に隠れているはずなのに、明るいところに自ら出ていって、捕食者に見つかりやすくなることくらいなら、「そういうこともあるのか」と簡単に納得できるかもしれない(鳥などの捕食者に寄生された昆虫が食べられることによって、次の生物の体内に移動できる)。しかし、微生物が人間の行動をも変えるとしたら、ちょっと想像しただけでも気分が悪くなりそうだ。

 たとえば、寄生生物といってすぐに頭に思い浮かぶような、白くてニョロニョロとしたモノではなくても、それが「病原菌」だと言われれば、分かりやすくなるだろう。自分の行動を考えてみると、風邪を引いているときは、いつもと違うものが食べたくなったり、いつもは大好きなものが食べられなくなったり、そんなちょっとした行動の変化に思い当たることはないだろうか。そうした「小さなモノ」が、生物の行動の変化を起こしているのかもしれないということを、知っておいても損はないのではないか。

意識しない他人の力に左右されていることも--「インビジブル・インフルエンス」


「インビジブル・インフルエンス」

 人が行動を決定するとき、それは、寄生生物のせいかもしれないし、そうではないかもしれない。そこで、次に考えられる要因が、見えない力(ちから)「インビジブル・インフルエンス」だ。これは、本人が知らないうちに、その人の行動を決めさせてしまう「他者や社会が個人に及ぼす影響力」のことをさす。たとえば、デパートで何気なく見ていた服を、店員に「この服は、とても人気があって、もうこれが最後の1枚なんです」と言われたので、つい買ってしまったという経験が筆者にはある。

 これは、要するに店員の言葉に影響を受けて、「服を買う」という自分の行動を決めてしまった結果にほかならない。しかし、店員が声をかけたということにのみ影響されたわけではない。「人気がある」という言葉から、たくさん買っている人がいるなら、自分も同じものを持っておきたいと思ったわけで、他者の行動にも影響を受けたと言える。おそらく、このようなことは日常茶飯事で、いったい「これだけは何の影響も受けずに自分で決めた」と断言できる行動などあるのかと、疑問を持たざるを得ない。人は、さまざまなものやことから影響を受けているのだと、自覚することで、次の一手がまた変わるかもしれない。

すべては「運」に左右されている--「成功する人は偶然を味方にする」


「成功する人は偶然を味方にする」

 最後は、「運」の話だ。成功した人がなぜ成功できたのかは、「努力」や「実力」だけでは説明がつかないというのだ。努力や実力なしに成功することはできないだろうが、かといって、実力のある人が努力家であっても成功できるとは限らないのが世の中だ。それはひとえに、「運」によるものだと著者は断言する。「運がいい」「運が悪い」という話は、自分ではどうしようもないことではないか、と思うのも当然だ。

 しかし、本書の中でも挙げられている例について、ちょっと考えてみると、すべては「運」に左右されていると言われても納得できる。それは、自分が生まれた国、家、環境など、自分で選んでそこにいるとは思えない要素についてだ。筆者が日本で両親から生まれたことは、自分で選択できたこととは思えない。たまたま偶然の出来事だ。

 その偶然の出来事を、チャンスとして生かすことができるかは、自分の日ごろの行い次第でもあるようだ。それは、最終章にある「まわりに感謝する」ということだ。自分1人だけで成功できるわけではない。他者の力もあってこそなのだ。これは、先に紹介した「インビジブル・インフルエンス」にも通じるところがある。とかく人は、自分のことだけで周りが見えなくなってしまいがちだが、こうした研究によって自分を客観的に見直す機会を持つことで、自分のことも、他人のことも、違った見方ができるようになるかもしれない。

-PR-企画特集