そして、今回の新型iPadだ(製品名はシンプルにiPad)。新型iPadは、Appleが21日にプレスリリースを通じて発表した複数の製品群やサービスの1つにすぎなかった。ほかには、「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」の「(PRODUCT)RED Special Edition」、iPhone SEのストレージ容量倍増、動画の編集と共有ができる新しいアプリ「Clips」などが発表された。
iPadは「Mac」のアップデートと同じ地位に格下げされてしまったかのようだ(Macのアップデートもプレスリリースで発表されることが多い)。とはいえ、Apple最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏はiPadについて、今でも「楽観視」していると1月に語っている。
Appleの広報担当者は21日、コメントを控えた。
タブレット分野はしばらく音沙汰がなかったが、コンシューマーテクノロジの2大企業であるAppleとサムスンが、2カ月弱の間にいずれも新製品を発表した。
2月下旬、サムスンは「Galaxy Tab S3」(Googleの「Android」OSを搭載する9.7インチタブレット端末)、「Galaxy Book」(Microsoftの「Windows 10」を搭載する「Surface Pro」風タブレット)の2種類の大型モデルを発表した。
サムスンは、人気の高い自社スマートフォンのいくつかの要素(明るいスクリーンや高速充電技術、「S-Pen」)をそれらの新型タブレットに組み込んだことを誇らしく語った。
サムスンのタブレットのプロダクトマーケティング担当シニアマネージャーを務めるHassan Anjum氏は、次のように述べている。「われわれはGalaxyの最高の要素をタブレット分野にもたらそうとしている」
しかし、新型タブレットが次々に発表されていることは、タブレット事業にとって重要な何かを意味するのではないのか、と早とちりしてはいけない。
サムスンの場合、新製品によって少しでも話題を提供し続けたかったが、主役である「Galaxy S8」スマートフォンを発表する準備がまだ完全に整っていなかったということだろう。数週間前の「Mobile World Congress」見本市に先だって発表されたサムスンのタブレット群をめぐる話題は、懐かしさを強烈に感じさせる「Nokia 3310」への興奮によってあっという間にかき消されたという事実がそのことを示している。
同様に、Appleがサムスンの大規模なGalaxy S8イベントの1週間前にさまざまな発表を小出しにしているのも、偶然ではないのかもしれない。
なぜなら、iPadはタブレットの全盛期以降、かつての勢いをほとんど失ってしまったかもしれないが、Appleの新製品には、一定数の人々の関心を引く力がまだ残っているからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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