シャープ、戴社長が描く東証一部復帰へのシナリオ - (page 2)

信賞必罰の会社にするのが不変の経営ポリシー

 メッセージのなかでは、顕著な成果を上げた社員に対して、3月24日に「社長特別賞」を授与することも発表した。

 1月23日に、デジタルフルカラー複合機および海外向けクラウドシステムが、BLI主催の米国の権威ある賞である「2017 Pick Award」(最優秀製品賞)を受賞し、2月1日には、中国向け液晶テレビ「AQUOS SU760A」と、NTTドコモ向けスマートフォン「AQUOS EVER SH-02J」が、国際的に著名なプロダクトデザイン賞である「iF DESIGN AWARD 2017」を受賞。「両賞に限らず、第3四半期の業績向上に大きく貢献した方、シャープのブランド価値向上に貢献した方などが対象になる」という。

 「私はシャープを『頑張って成果を出せば、その分必ず報われる会社』すなわち、信賞必罰の会社にしたいと考えている。そして、業績が上がれば、従業員の皆さんに還元する。これは今後も不変の経営ポリシー。このためには、自ら高い目標を掲げ、それに挑戦し、成し遂げた成果と自らの評価を上司にしっかりと申告し、上司から評価のフィードバックを得て、お互いの納得をにより次の取り組みに活かす。こうした納得性の高い人事評価プロセスを根づかせることが極めて重要だ」と述べた。

 最後に触れたのが、「正々堂々の経営」であった。

 「東証一部への復帰を目指す上では、成長軌道に転じることはもちろん、コンプライアンスや高い倫理意識が、社内に浸透していることが重要。当社はこれを機に、より高いレベルのコンプライアンス経営を実現すべく、仕組みの改善や再構築に取り組んでいく」とし、「シャープは、経営理念で『会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる』ことを謳っているが、私自身も会社の成長と同時に、社員の皆さんが心身ともに充実していることが大切だと考えている。長時間労働で皆さんの健康が阻害されるようなことは、絶対に避けなければならない。会社としても、メンタルヘルスケアのサポート、人員の最適配置(人員数、適性の配慮等)、さらには、働き方改革に取り組んでいく。日々の適正な労働時間管理を心がけていただきたい」とし、「正々堂々の経営は、当社が掲げる行動規範であり、誠意溢れる仕事を積み重ねること。一人ひとりがこれを肝に銘じ、世界に誇れる会社に成長していこう」と呼びかけた。

 そのほか、大阪府堺市の同社本社では、マルチスクリーンのテレビ会議システムを完備した多目的ホールの設置を進めており、今後、記者会見や入社式、株主総会などのさまざまなイベントで利用する計画も明かした。

 今回のメッセージは、2017年に入ってから2回目になるが、経営再建に向けた強い手応えを示すとともに、東証一部復帰に向けた具体的な歩みを開始することを宣言するものになった。

 今後は、4月下旬の2016年度業績の結果と、5月中旬に発表される中期経営計画の内容に注目が集まることになる。

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