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ソニー、映画分野で減損--「映画事業は売却しない、腰を据え立て直し」 - (page 2)

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映画事業は腰を据えて立て直していく

 映画の売上高が前年同期比2.7%減の6006億円、営業損失が1004億円減で1142億円の赤字。「第3四半期は劇場興行収入の減少。営業権の減損が影響した」と説明した。2016年通期見通しは、売上高は9100億円と据え置いたものの、営業権の減損額1121億円の影響により、830億円の赤字に転落すると予想した。

営業権の減損
営業権の減損

 「営業権に関して多額の減損に至ったことについては、経営として重く受け止めている。また、中期的な目標に対して大幅な未達になっていることは重要な課題である。営業利益見通しは、営業権の減損を除いた実質ベースでも270ミリオンドルとなっており、これは2016年5月に発表した期初見通しに比べても、約3割減の水準。また、中期経営計画で掲げた2017年度の目標値を一度引き下げているが、2016年度末の決算発表時に公表予定の2017年度見通しは、さらにそれを下回ることになる。

 収益改善には取り組んできたが、未達などの結果には経営として反省している。社長の平井(ソニー代表執行役社長兼CEOの平井一夫氏)が映画事業の拠点がある米カリフォルニア州に第2オフィスを構え、映画を中心にエンタテインメント事業に深く関わり、ソニー・ピクチャーズの後任CEOの人選や、経営体制の強化に優先度をあげて取り組んでいく」とした。

 また、「映画事業は蓄積された問題があり、本質的には経営の問題だと認識している。エレクトロニクス事業が長い期間にわたって低迷している中で、短期的な利益を追求してきた部分は否めない。「スパイダーマン」のマーチャンダイジングライトの売却や、メディアネットワーク事業の売却などがあり、短期業績を作るために、長期のキャッシュフローを捨てた。これが現在の収益力の弱さにつながっている。今の経営陣が、腰を据えて立て直していくしかない」とした。

 減損を計上することになったプロダクション&ディストリビューション事業の現状についても言及。「事業としては、映画製作とテレビ番組制作で構成されている。コンテンツを作るビジネスだが、ネットワークによるコンテンツ配信の多様化の中で、良質なコンテンツの保有と、それを作ることの価値の上昇を認識している。

 チャンネル展開では、インドを中心に米国以外にもグローバルな展開を図り、M&Aを含めて成長に向けた施策を実行している。また、映画事業はリカーリングビジネスと捉えており、メディアネットワークに加えて、IPを活用して、ゲームや続編などの展開が可能。リカーリングビジネスに注力することで、安定的な利益成長を目指すことは、グループ全体の中期的な戦略方針に合致している。映画分野は、ソニーにとって重要な事業である」と述べた。

 さらに、「映画事業については、IPやカタログの蓄積不足がある。米国外の市場に対する配給網を活用することも大切である。映画事業を売却する計画はない」とも語った。

 音楽の売上高は4.3%増の4706億円、営業利益が128億円減の604億円。為替のマイナス影響があるものの、モバイル機器向けゲームアプリケーション「Fate/Grand Order」が好調であり、これによって映像メディアプラットフォームが増収。2016年通期見通しは、売上高で700億円増の6200億円、営業利益で60億円増の690億円とした。

 金融の売上高が前年並の8124億円、営業利益が283億円減の1111億円となった。ソニー生命の収入がほぼ前年並に留まっており、この要因を一般勘定の運用益の減少と説明。「変額保険の最低保証にかかる市場リスクのヘッジを目的とするデリバティブ取引の損益の悪化、有価証券売却益の減少が理由」とした。2016年度通期見通しには変更がなく、金融ビジネス収入は1兆1400億円、営業利益は1500億円とした。

セグメント別業績見通し
セグメント別業績見通し

 なお、2017年度を最終年度とする中期経営計画で掲げた営業利益5000億円については、「変更はない。チャレンジングな目標だが、達成に向けて全力をあげる。赤字の半導体事業をしっかりとターンアラウンドさせること、ゲーム&ネットワークサービス事業を成長をさせていくこと、そして収益の安定化が大切である」とした。

 また、トランプ政権に影響については、「半導体事業は円安がメリットだが、事業構造全体ではドル高はマイナスの影響になる。まだ、新政権の政策が明確ではないが、今後の政策には注視し、精査していく。ソニーは、ビジネスの7割が海外であり、日本に次いで2番目に大きいのが米国。映画、ゲーム、音楽、音楽出版の4社が米国に本社を置いており、重要な市場。為替は安定していることが望ましいと考えている」などと語った。

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