戴社長が社員に伝えた2017年の必達目標と変革--「技術のシャープ」復活へ - (page 2)

コーポレート宣言「Be Original.」は創業者の座右の銘「至誠通天」に通じる

 一方で、人事面にも言及した。これまでのメッセージでも、信賞必罰を基本とした人事制度の採用を訴えてきたが、今回のメッセージでは、「1月16日から、一般社員への役割等級制度の導入を皮切りに、一人ひとりの成果にしっかり報いる、信賞必罰を基本とした人事制度の本格運用を開始する」と宣言。これまでの「標準に集中した評価」から、「メリハリのある評価」へ転換し、社長特別賞与の増枠をはじめとしたインセンティブ制度の拡充などを進めるという。

 加えて、凍結していた研修プログラムの再開やカムバック採用、新卒採用を始めとした優秀人材の確保、優秀な海外ローカルスタッフの幹部登用などを通じて、人材の拡充や最適配置に取り組むことにも触れた。

 研修プログラムについては、内容を刷新する予定であり、具体的な内容は現在検討中としながらも、「やりがいに繋がるキャリア開発」や「専門性の向上」をキーワードに、一人ひとりの成長を後押しする研修プログラムの構築を進めるという。

 戴社長は「一人ひとりのスキルの向上、変革マインドの醸成、外部からの血の注入などを通じて、個の力を高めていくことが、環境変化にも動じず、持続的な成長を実現する本当に強い組織を創り出すことに繋がると考えている。だが、まずは、社員が、『自ら成長したい』、『自らが変革を担う』といった当事者意識を持つことが必要である」と、社員に呼び掛けた。

 最後に戴社長は、1月22日に旧正月にあわせて開催された鴻海グループの年末総括大会において、シャープ創業者である早川徳次氏による直筆の額「至誠」を紹介したことに触れ、「早川創業者は、『至誠通天(至誠は天に通ず)』という孟子の教えを座右の銘としていた。これは、コーポレート宣言『Be Original.』の原点となる言葉である。誠意を尽くせば必ず願いは叶う。シャープの全社員が、この思いを強く持って仕事に取り組み、ともに、こうした企業文化を創っていきたい。Be Original.、One SHARPが、シャープ復活への合言葉になる」と締めくくった。

 これまでのメッセージに比べて、具体的な取り組みを示したり、その取り組みを本格的に開始したりといった内容になったともいえる今回のメッセージ。新たな体制で本格的に動き出す2017年になることを感じる内容になった。

シャープ創業者である早川徳次氏による直筆の額「至誠」
シャープ創業者である早川徳次氏による直筆の額「至誠」

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]