「第3の輸送革命」--Lyft創業者の真の狙いは都市と社会の再構築 - (page 4)

Lyftの現状、共同創業者のバックグラウンドなど

 Lyftというと、ここ数年は「Uberという強敵を相手にまわして」という枕詞付きで紹介されるようなベンチャー。また最近だと、今年の初めに「General Motors(GM)から5億ドル出資の約束を取り付けた」というニュースが報じられたり、少し前には(このままでは資金力ではるかに勝るUberに太刀打ちできないと考えてか)「他社への身売りを模索したものの、結局うまくいかなった」といったニュースが流れていたりした。またGMが3月に買収したCruise Automationという自動運転技術関連のベンチャーとLyftのサービスを組み合わせて、将来的に自動運転車を使ったライドシェアサービスを……という話をどこかで目にされた方もいるかもしれない。ただ、自動運転車+ライドシェアサービスについては、Uberが9月半ばにビッツバーグの路上で実験を始めてしまった。そうしたことも考え合わせると、Lyftはここにきてさらに旗色が悪くなっている、実際の「路上での戦いぶり」はよくわからないけれど、メディアを使った「空中戦」では劣勢に立たされているとの感じも強くする。このエッセイはそんな劣勢を少しでも挽回するために出された(いい意味での)ポジショントークと言えるかもしれない。

 著者のZimmer氏は学生時代から都市計画に興味があったらしい。Lyftを紹介したTechCrunchの長い記事には、コーネル大在学中に受講した「地球に優しい都市と持続可能な未来の創造(Creating Green Cities and Sustainable Futures)」という講座で、都市インフラの変化などを学んだとある。また昔から優秀なことで知られる同大学のホテル経営学部(School of Hotel Administration)卒のZimmer氏は、車輌の稼働率に着目し、それを引き上げることが運輸分野の問題解決につながると考えていた、とも記されている。

 またパートナーのLogan Green氏なる人物については、マイカーなしでは生活が立ち行かない南カリフォルニアで育った反動で、大学(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)進学とともにマイカーなしでどこまで生活できるかを確かめるという実験を始めた、在学中にはカーシェアリングの実験的取り組みも立ち上げた、それと前後してサンタバーバラ市の運輸局にあたる組織(Santa Barbara Metropolitan Transit District board)の理事の一人として赤字続きだった市営交通機関の立て直しに当たった(ただしうまくいかなかった)、その後アフリカのジンバブエを旅行した際、現地の人々が自動車の相乗りサービスを使って効率的に移動していることを知り、それをヒントにZimrideというカープールサービス(Lyftの前身)を立ち上げた、などとある。筋金入りの「交通システムおたく」といった感じも伝わってくる。

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