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マルケトの製品は選択肢の1つから“マスト”に--設立10周年でCEOが語るマーケティング - (page 2)

別井貴志 (編集部) 山川晶之 (編集部)2016年08月19日 08時00分
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--顧客体験の向上が一番重要だとよく言われますが、実際のところ、企業内では実際のところ、マーケターと営業では摩擦が生じがちで、本当に顧客志向で活動しているのかと疑問を持つことがあります。

 我々が事業展開している市場では、営業部とマーケティング部の関係性が大きく変わってきました。当初、我々が製品発売時のマーケティングで使用していたメッセージは、営業部とマーケティング部との関係性に関わることでした。現在では、米国でさまざまな成功事例が出てきています。

 例えば、とある人が営業部の部長職として企業で面接を受けたとします。この候補者は、面接している人事担当者に「この会社ではマーケティングシステムは何を使っていますか」と初めに質問するのですが、「マルケトを使っていないのであればこの会社で働きたくない」と意思表示する候補者もいると聞きます。このように、我々の製品は、営業部門が抵抗するものではなく、彼らの成功のために必要なツールとして認識していただいています。

--ソリューションについて具体的に聞きたいのですが、マルチスクリーン、マルチチャンネルへのアプローチとして、適切な顧客に適切な広告を配信する「Ad Bridge」や、顧客データ管理の「オーディエンスハブ」をリリースし、これによりマルチチャネルの顧客それぞれに、最適なアプローチができる仕組みができました。顧客からの反応はいかがでしょうか。

 カスタマーからはとても好評です。まず、Ad Bridgeですが、発売当初はBtoB企業を中心に販売していました。彼らは、検索に関するマーケティング活動を展開していたのですが、デジタル広告といったデジタルマーケティングはほとんど実施していませんでした。ただし、デジタル広告はここ2~3年で大きく変わり、プログラマティックバイイングなど、より精度の高いターゲティングが可能となりました。BtoB企業でも、ペイドアドバタイジングなどの活用で、高い精度でバイヤーをターゲティングできます。

Marketoの日本法人となるマルケト代表取締役社長の福田康隆氏もインタビューに同席した。フェルナンデス氏は「日本において、本社よりも急速に高い成長率でマルケトを伸ばしている」と福田氏を評している
Marketoの日本法人となるマルケト代表取締役社長の福田康隆氏もインタビューに同席した。フェルナンデス氏は「日本において、本社よりも急速に高い成長率でマルケトを伸ばしている」と福田氏を評している

 同時に、BtoC企業に対しても販売が増えています。BtoC企業では、過去数年にわたってペイドアドバタイジングがメジャーですが、より効果を高めたいという要望があるためです。また、Facebookなどの企業が、非常に強力な広告向けインターフェイスを提供し始めました。マルケトのソリューションやFacebookなどのプラットフォームを活用することで、デジタル広告の高い効果が得られるようになったのです。

 こうしたペイドアドに関しては、消費者一人一人にパーソナライズすることが可能になりました。対象者の関心事、興味などに合わせて広告を掲載できます。こうしたトレンド、市場全体の動向、技術の進展などがうまく融合した結果として、Ad Bridgeを提供したのです。発売後15カ月が経ちますが、この製品は我々の歴史上最も早くカスタマーに採用される製品に育ちました。そして、これらを下支えしているのがオーディエンスハブになります。

 オーディエンスハブは、マルケト内に格納されている顧客動向データで構成されています。これまでのデータは、ウェブサイトへの訪問や、クリックに関する情報、SNSに関する反応といったマーケティングイベントに限定されていました。しかし、オーディエンスハブに格納できる情報は非常に広く、Eコマース、小売店、ロイヤリティプログラムからのデータに加え、公益事業、電力使用量のデータ、健康に関するデータなどを、顧客データとして格納できるのです。

 また、オーディエンスハブをAd Bridgeと組み合わせることで、データにもとづいた予測分析、プレディクティブアナリティクスも可能になりました。マシンラーニングを活用し、顧客情報にどのように対処すべきかを自動で判断することもできます。こうした、多くの技術動向やテーマが収束・融合することで、これまで存在しなかったような強力なケイパビリティが実現できるのです。

--最後に、今秋にもリリース予定とされている「アカウントベースドマーケティング(ABM)」と、「PROJECT ORION」について教えてください。

 今回、我々の技術に関して2つの観点からお話ししました。1つは営業マーケティングツールという側面、もう1つは会社レベル、エンタープライズレベルでのカスタマーエクスペリエンスのソリューションとしての側面です。ABMは、営業とマーケティング間の関係性にフォーカスしています。すべてのセールスモデル、営業モデルがインバウンドサーチやコンテンツに適しているわけではありません。さまざまなセールスモデル、営業モデルに対応すべく、ABMを開発しました。カスタマーからも非常に良く評価して頂いています。

 一方、PROJECT ORIONですが、これは会社全体のカスタマーエクスペリエンスの向上に焦点を当てています。たとえば携帯電話の通信事業者であれば、通信が切れてしまったすべてのコールをイベントとして、航空会社であれば、遅延が生じたすべてのフライトをイベントとしてオーディエンスハブに格納できます。

 この結果、先の通信事業者でいえば、支払額の多い加入者の回線が先月で3回切れてしまったというデータがあった場合、来月はお詫びとして2000円割り引くといった、加入者の解約を防止するようなアクションが取れるようになります。このユースケースに対応するためには、非常に大量のデータを格納できるキャパシティが求められるのですが、それを実現するのがPROJECT ORIONなのです。

 こうした非常に野心的で、大きなアイデアではありますが、さまざまな要素が組み合わさることで2つの計画が実現されつつあるのです。

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