田中氏:ゲームシステムをロジカルに寄せている分、難易度が高くなってしまいゲームに対する敷居が上がってしまったことです。キャラクターと世界観を押し出していることから、キャラクターゲーム的に楽しむことを目的に入った方もいますし、そういう楽しみ方もできます。でも勝ちにいくデッキを持った方が1人入ると、太刀打ちできない側面もあります。その両立をどのように図っていくかが課題としてあります。
テレビアニメについても、TCGとしてプレイしている描写はショートアニメ「私たち、らくろじ部!」を作って遊ぶイメージをしやすいように試み、本編では世界観とキャラクターの描写に注力したのですが、本編に対する反応を見ていると、もうひとつキャラクターの魅力を伝えきれなかったのではと感じています。
田中氏:今でもラクエンロジックを楽しんでくださっているユーザーさんは確実にいらっしゃいます。できるだけ遊び続けていただくモチベーションを保っていただき、その後の商品展開にもつなげていくのが大事ですので、プロモーションプロデューサーとして全国のカードショップさんに飛び回って自ら対戦をしつつ、プレーヤーの方々と直接お話をすることをしています。プレーヤーに近い位置に立って、対話を通じて得たものを開発にフィードバックしていくという役割ですね。さすがに全国を飛び回る状況ではプロジェクトまで関わるのが難しいということもあって北岡をプロデューサーに据え、彼の自由な発想を生かして展開できるようにしました。
北岡氏:今は短期と長期で改善するべき点が両方にありますので、それに対応したシステムにしました。すでにプレーヤーの方がいますので、発信するとすぐに反応が返ってくる状態にありますから、信頼感を損ねずに盛り上げていくことが大事ですし、その責任の大きさを感じています。
北岡氏:個人的に感じていることとしてお話しますが、TCGは「カード」「人」「遊ぶ場」が必要です。当たり前のことではありますが、遊ぶ相手がいるかがすごく重要なんです。なので自分がプレイしているゲームが面白いかどうかだけではなく、遊び続けていけるゲームなのかどうか。何より「面白いと言っている人がいるかどうか」も大事になってきています。そしてその発言がネットで可視化しやすい今の世の中では、SNSの影響も無視できないですし、周囲も意見を踏まえたコンテンツの評価をする人が多いと感じています。
田中氏:TCGにおけるカードの価値は、そのカードを使って遊んでくれる友だちがいるかどうかです。そのシリーズの新作が出ずにサポートが終了となると、さまざまな面から価値が下がります。そして、そうなってしまったTCGタイトルはここ数年で本当に増えてしまいました。そのカードで遊べることを担保できるか、遊び相手を確保できるかがメーカーにとってもプレーヤーにとっても命題です。
田中氏:モバイルデバイスで遊ぶソーシャルゲームは、オンラインでマッチングできますから、遊び相手については簡単に担保しやすいです。ですが、デジタルとネットで便利になればなるほど、リアル体験の価値が高くなっていくのではとも考えていて、音楽におけるライブイベントが求められるような流れが、ゲームでもくるのではと考えています。
TCGは顔の見えない誰かではなく、目の前に人間がいて顔をあわせる。実際に同じ相手に3度負けたら顔は覚えます(笑)。それでいじられることもありますけど、敷居がある代わりに結びつきは太くなりますし、それはデジタルやネット上では味わえないものです。“敵”ですら必要なのがTCGですし、目の前にいるプレーヤーを尊重しなければ相手がいなくなって遊べなくなってしまう世界でもあります。構想時は特に考えていなかったのですが、対戦相手がいないとできないゲームで、合体しないと戦えない世界観となったのは、これまでTCGに携わって感じたことや思いが表れたからかもしれません。
田中氏:アニメに関しては新シリーズの制作を発表しています。今まさに北岡やアニメスタッフの方々が尽力してくださっているとことです。そこに向けていかに盛り上げていくかですね。
北岡氏:短期、中期的には今登場しているキャラクターを生かしつつ、能力も含めて魅力あるカードを出していくことです。BT03のカードが、すでに出ているカードの強化や魅力の発揮を中心に据えていますし、8月12日に発売するエクストラブースター(EB01)では、女性キャラクターの水着姿を中心に、ビジュアル面の魅力を押し出したパックになっています。また興味を持った方が、アニメを見て実際に遊んでみたいと思ってもらえるような仕掛けつくりもやっているところです。あとカードショップで遊ばれるゲームでありますから、イベントの実施なども含めてショップに対する盛り上げを図る施策を、田中とともにやっていきますので、ご期待頂ければと思います。
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