ビルゲイツも恐れるイノベーターたち:「Innovation Award 2016」発表 - (page 3)

 日本マイクロソフト 執行役 デベロッパーエバンジェリズム統括本部長 伊藤かつら氏は「(両イベントを同時開催するのは)今年が初めてだが、幅広い年齢層が集まって面白かった」と感想を述べつつ、「現在(インターネット産業革命とも呼ばれる)第4次産業革命が起きている。われわれのオープンテクノロジを活用し、新たなものを生み出してほしい」(伊藤氏)と述べてMicrosoft Innovation Day 2016を締めくくった。

 なお、Innovation Award 2016では、複数のセッションを開催したが、そのうちの1つ「地方創生で活性化する地方 都市のスタートアップエコシステム」を紹介しよう。スタートアップへ真剣に取り組む行政や市町村が増えてきたと、日本マイクロソフト デベロッパーエバンジェリズム統括本部 オーディエンステクニカルエバンジェリズム部 部長 エバンジェリストの砂金信一郎氏は説明する。

 実際に神戸市では、エンジェル投資家兼シードアクセラレータのDave MaClure氏と協定し、「500 Startups KOBE Pre-Accelerator」の実施を決定したと、神戸市 医療・新産業本部 企業誘致部 新産業想像担当課長 田名部重則氏は市の取り組みを紹介した。

 経済産業省は省内メンバーとベンチャー企業と共にセッションを行い、ユニークな提案をアジャイル型で開発している。2015年7月には「ベンチャーと自治体で起こすオープンイノベーション」を開催したと、経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 課長補佐 津脇慈子氏は説明した。

 民間企業でも同種の取り組みとして、地方にエンジニアやスタートアップ企業を育てる応援を行っていると、パソナテック マーケティング 企画部 執行役員 粟生万琴氏は明かしている。地方創生となると民間企業単独では難しいため、大学や岐阜県庁と産官学の連携を実施し、既に300人ものエンジニアを育成してきた。


左から日本マイクロソフト デベロッパーエバンジェリズム統括本部 オーディエンステクニカルエバンジェリズム部 部長 エバンジェリストの砂金信一郎氏、経済産業省 商務情報政策局 情報通信機器課 課長補佐 津脇慈子氏、神戸市 医療・新産業本部 企業誘致部 新産業想像担当課長 田名部重則氏、パソナテック マーケティング 企画部 執行役員 粟生万琴氏

 モデレーターを務めた砂金氏がスタートアップ支援の不安や課題について質問すると、「(神戸)市長からITを使ってワクワクする取り込みを行うという指示だが、上手く行くかどうかいつもドキドキしている。ただ、(市役所内で)共有する職員が少ないのが残念」(田名部氏)、「首長の(ITに対する)理解力が、雇用や産業支援を大きく左右する」(粟生氏)と回答。

 また、日本マイクロソフトに対する期待や要望について訪ねると、「人材紹介など自分にはないネットワークを持っている」(田名部氏)、「「地方を見ながらグローバル活動を行う(日本マイクロソフトの)役割は大きい。連携のハブを担ってほしい」(津脇氏)と企業や個人の活動を評価した。

展示会場ではInnovation Day 2016に参加したスタートアップ企業のサービスを実際に試すことができた
展示会場ではInnovation Day 2016に参加したスタートアップ企業のサービスを実際に試すことができた

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