「電子メールの父」レイ・トムリンソン氏、74歳で死去 - (page 2)

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)2016年03月08日 11時18分

 最初の電子メールはどのような内容だったのか?Tomlinson氏はまったく思い出すことができなかった。おそらく適当な内容だったのではないかと同氏は考えている。「最初の電子メールは、まったく記憶に残らない内容だった。なので、忘れてしまった」とTomlinson氏は述べている。

 Tomlinson氏は、「@」を電子メールに取り入れた人物でもある。Tomlinson氏は「@」を選んだ理由について、ローカルマシンのメールボックス宛に送られるメッセージと、外部のネットワークに送られるメッセージを区別するためだったと別のインタビューで説明している。「ユーザーがローカルではなくどこか他のホストにいるということを示すために、(場所を示す『at』の意味で)『@』を使った」(Tomlinson氏)

 「@」は1982年、電子メールの標準規格「RFC822」に取り入れられた。

 電子メールの発明から2年と経たないうちに、電子メールはARPANETの全トラフィックの75%を占めるまでになった。だが、当時のTomlinson氏にとって、電子メールはそれほど重要なものではなかったようだ。後にこれが重大な発明であることに気づいた。

 Tomlinson氏は生前、「あなたは、Morse氏(モールス符号の発明者)、Bell氏(電話の発明者)、Marconi氏(無線通信の発明者)の後に続く人物になるのだろうか」と、遠距離通信の歴史で自身がどのように位置づけられるか尋ねられたことがある。

 Tomlinson氏はこの問いに対し、「(進歩の)ペースは、あなたが挙げた(人物が登場して)以後、ものすごく速くなっている。つまり、どの進歩も前の進歩のすぐ後に起こっており、次の進歩があまりにもすぐにやって来るため、一つひとつの進歩は目立たなくなっている。ごくわずかの人物しか人々の記憶には残らないと思う」と答えた上で、「私の考えが間違っているかどうか、ぜひ知りたいものだ」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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