高校1年女子C子は、本当はアニメやライトノベルなどが好きだ。しかし、そのような趣味はあまり「イケていない」。そこで、周囲に合わせてMixChannelやInstagramアプリも入れている。「正直、(それらのアプリは)あまり興味がないし、そんなに好きじゃない。でも、イケてる子たちは全員使ってるから、まったく見ていないと分からないから、たまに覗くようにしている」。
誰かに見られるかもしれないホーム画面には、可愛い系アプリやトレンド系アプリを入れ、自分の趣味のアプリはあえて2画面目以降に入れているのだそうだ。「他人に見せる用と自分が楽しむ用かな」とC子は苦笑する。
本当におしゃれな子たちは、カメラアプリや画像加工アプリをたくさん入れていたり、ファッション系アプリなどを入れていたりするそうだ。「もともとスマホもあまり興味がなかったけれど、浮きたくないから無理を言って親に買ってもらった。買った後も、友達が見るから合わせたアプリを入れなきゃいけなくて正直うざい」。
ステイタスのためや周囲から浮かないために、付き合いでアプリを利用することがある。スマホは個人的なものであり、アプリは自分の使いたいものを入れればいいと思っていたが、一部の中高生にはそうではないようだ。
学校など狭い人間関係の中で暮らしている場合は、確かに付き合いが必要なこともあるだろう。しかし、本来の自分を押し殺して無理をしていると苦しくなり、楽しめなくなってしまう。そのようなことになったら本末転倒だ。
浮くことを怖がりすぎるあまり、本来の自分を殺してはならない。他人は騙せても、自分自身のことは騙すことはできない。本来の自分や自分の価値観にもっと自信を持ってもいいはずだし、誰もが同じ価値観でなくてもいいのではないか。周囲にそのように悩んでいる10代の子達がいたら、アドバイスしてあげてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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