Spotifyの楽曲提案機能はApple Musicほど目立った特徴はないが、アプリの一部として利用できる。Spotifyの「Browse」ページでは、朝の通勤や退勤後のエクササイズなど、時間帯や活動に合わせたプレイリストが重視されている。「Discover」タブには、聞いた楽曲の履歴に基づいておすすめが表示されるが、Apple Musicほど表立った機能になっているわけではない。
Apple MusicとSpotifyの違いが目立つのは、単なる音楽再生を超えた追加機能の部分だ。Appleはユーザーが好みのアーティストとつながり続けることを重視しているのに対し、Spotifyはさまざまな場面に応じて音楽を楽しめるようにしている。
Apple Musicでは、「Connect」セクションがアーティストのためのソーシャルネットワークとして機能し、各アーティストは写真や動画、歌詞、デモトラック、ミックステープなどをファンと共有することができる。ファンの側では、アーティストをフォローして、コンテンツの更新に「Like」やコメントを付けることが可能だ。Appleは、将来性のあるミュージシャンが楽曲を公開して宣伝する場にもなると約束している。
Spotifyの機能は、自宅でくつろぐときや近所でランニングするときなど、音楽を聞くさまざまな場面に合わせて設計されている。新しく追加された「Running」機能は、ユーザーが走るペース(1分あたりの歩数)を検出して、そのスピードに合った楽曲を再生する。曲の終わりでフェードアウトし、次の曲がフェードインで始まるので、切れ目がなく曲を聴くことができ、走るモチベーションを維持しやすくなるだろう。
Spotifyには、「Sonos Player」などの外部スピーカーで音楽を再生するツールも組み込まれている。このアプリを使ってスピーカーに接続し、スマートフォンから音楽を操作することができる。
表面的な部分では、Apple MusicとSpotifyは非常によく似たサービスだ。どちらも、大規模なライブラリからオンデマンドで楽曲を再生し、聞いた曲の履歴に基づくおすすめの機能があり、何らかの形でラジオを利用できる。またPCと「Mac」「iOS」「Android」に対応している(または対応を予定している)。月額利用料金はどちらも9.99ドルで、手持ちの音楽ファイルを再生できる点も同じだ。
Apple MusicとSpotifyに大きい違いはなく、どちらかを選ぶ上で決め手になるようなキラー機能も見当たらない。選択の基準は、ストリーミングサービスに何を望むかという点になるだろう。愛してやまないアーティストとの深いつながりをとるか、それともいろいろな場面で音楽を聞ける柔軟性をとるかということだ。Apple Musicは前者の機能が充実することを約束しており、Spotifyはすでに後者で実績を示している。
決める前に、両方を試してみるといいだろう。Apple Musicは米国時間6月30日、米国において提供が開始され、iOS、PC、Macで利用できる。Apple TVとAndroidへの対応は2015年秋の予定だ。無料試用期間は3カ月あるので、自分に合っているかどうか判断するには十分時間があるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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