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2015年の展望

LINEは生涯「未来への挑戦者」--森川氏退任への思いも

藤井涼 (編集部)2015年01月01日 07時00分
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 “LIFE(ライフ)プラットフォーム”を目標に掲げ、フードデリバリーやタクシー配車など生活に密着したサービスを次々と発表したLINE。さらには、上場の見送りや森川亮社長の退任発表など、2014年も同社の話題には事欠かなかった1年といえる。

 2015年はどのようにして国内外で攻勢をかけるのか、また長年同社を率いてきた森川氏への思いは――新社長に就任予定の出澤剛氏と、LINE事業を統括する上級執行役員の舛田淳氏に聞いた。


LINE代表取締役 最高執行責任者 COOの出澤剛氏(左)と、同社上級執行役員 CSMOの舛田淳氏(右)

◇2013年、2014年の新春インタビュー
「2013年はモンスターサービスに並ぶ」--LINEで世界に攻勢かけるNHN Japan
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退任を決めた森川氏への思い

――2007年のNHN Japan時代から社長を務めていた森川氏の退任発表には業界内に大きな衝撃が走りました。今後は、LINEの顧問を務めつつ、これまで以上に起業家やスタートアップを支援・育成していくそうですね。

出澤氏 : 4月から私も代表取締役となり森川と2トップ体制でやってきました。4月の時点で具体的に決まっていたわけではありませんが、順調に事業も成長していることもあり、(森川氏が)9月に退任の気持ちを固められた。ただ、以前からスタートアップの支援などをやりたいという話は聞いていました。

――お二人にとって森川氏はどのような存在なのでしょう。

出澤氏 : ライブドアの買収時には森川がいろいろな意味で支えてくれました。M&Aも含めて前面に立っていただいたこともありますし、買収後も皆が活躍できる環境を作ってくれました。言葉にすると違うような気もするのですが、寂しい気持ちもあります。また、4月から私も代表権を持ち、舛田や他の役員も含めた経営チームへのテスト期間というか、しっかりと準備する時間は与えてもらったと思います。

舛田氏 : よく私と並ぶと兄弟のようなビジュアルと言われましたね(笑)。私は森川がいたからこそNAVERへジェインしたこともありますし、二人三脚でここまでやってきたと思っています。外から見ると何でこのタイミングと思われるかもしれませんが、これまでの森川のことを考えると納得がいくというか。ようやく次のステージに行ってもいいという、ある種の合格の“バトン”をいただいたということだと思います。

 森川もブログで「LINEやNHN PlayArtの社員に負けないように新たなチャレンジをする」と話していましたが、今後は「森川がいないと駄目じゃないか」と言われないようにしなければいけません。とはいえ我々だけではできないこともありますので、そこに関しては引き続き顧問としてアドバイスをもらいつつLINEの成長に貢献していただきたいとは思っています。

――出澤氏が社長になることで何が変わるのでしょう。

出澤氏 : 基本的には4月の段階からチャレンジをしてきたという認識なので、これまでと同じ方針でやっていくことになります。ただ、バトンを渡されたということは、森川がやってきた以上に、より早く大きく成長しろよということだと思いますので、まずはそこに対して新経営チームで集中してやっていこうと思います。

「LIFEプラットフォーム」を打ち出した狙い

――改めて、生活に密着した「LIFEプラットフォーム」を目指す狙いを教えてください。

出澤氏 : LINEをリリースして3年半が経ちました。当初はスマートフォンのメッセンジャーとして多くの方に使っていただくことに注力しましたが、次第に本当に親しい人との友だち関係がLINEの中で構築され、メッセージもすごくアクティブに使われるようになりました。その中で、プラットフォームを意識するようになり、まずはデジタルにフォーカスし、2014年からよりリアルな世界に進出することを決めました。

 それはLINEの成長みたいなところもありますが、スマートフォンによってこれまでのインターネットでは手の届かなかった領域に接触可能になっているということが言えると思います。本当にインターネットがもう一度大きな変革を遂げるタイミングなので、我々だからこそできることがあるのではないかと。特にコミュニケーションや人間関係という領域から、世の中を便利したり、付加価値があることを積極的にやっていきたい。それにより、リアル領域のサービスももっと増えるでしょうし、(モバイル決済の)「LINE Pay」を中心とした世界も大きく発展していくと思います。

――ECアプリ「LINE MALL」やフードデリバリー「LINE WOW」など、各サービスの手応えについても聞かせてください。

舛田氏 : LINE MALLでは、グループ購入やマルシェなど、いろいろな買い物の手段を提案させていただいていて、ベースは出来てきたかなというところです。また12月末からはテレビCMも放映しています。LINEとコマースというところでいうと、まだまだいろいろな選択肢があると思っているので、そこをどう探求していくかというフェーズですね。

 (音楽配信サービスの)「LINE MUSIC」については、2015年早々にはお届けしたい……と言いつつ、はや2年ですが(笑)、今回こそはお届けすると言い切れると思います。開発も順調に進んでいますし、関係各所とのコミュニケーションもうまくいっているので、皆さんに使いたいと思っていただけるものを提供できると思います。またある種、停滞感のある音楽産業に対してひとつのアクセントになるかなと。ジョイントベンチャー(JV)に参加してくださっている会社さんは、恐らくそこに期待されていると思います。

 「LINE WOW」に関しては、狙い通り皆さんにワオと言っていただけたと思います。「何でこんなに高いんだ」とか、「この店の料理が食べられるんだ」とか、ご利用いただいた方からはかなり満足度が高いと言っていただけました。ただ、ハイブランドのデリバリーをするためにLINE WOWを作ったわけではありませんので、今後はエリア拡大に加えて、より一般的な価格のメニューにチャレンジする準備を進めていますし、どうすればフード以外のものもオンデマンドデリバリーできるのかという計画を立てているところです。

――これらのサービスの決済に「LINE Pay」を使うと。

舛田氏 : LINE Payは、他の決済手段にはないペースで登録アカウントが増加しています。忘年会の割り勘に使ったり、試しに個人間送金をやってみたり、やはり体験としてはかなり新しい、コミュニケーションのようにお金のやりとりができるところが特徴です。我々が想定している使い方よりも皆さんLINEぽいというか、工夫をして使ってくださるようになってきていて、手応えを感じているところです。ただ、現在は使える場所がLINE STOREしかないので、いままさにECサイトなどとコミュニケーションしているところで、3~4月ごろにはいろいろ出揃ってくるのではないかという計画でいます。

 また、ユーザーからは「なぜこんなに本人確認があるんだ」とか「何で7桁という微妙なコードを入れないといけないんだ」という指摘もあります。ただ、やはりセキュリティを担保するため、いろいろな問題をクリアするためにはパスワードやタッチIDは必要です。それと(身分証明証による)本人確認もいらないんじゃないかと言われるのですが、そこをなくしてしまうとマネーロンダリングであるとか、いわゆる“LINEいじめ”のようなものに使われてしまう可能性がありますので、1つハードルを設けることで適切に使っていただけるようにしています。

――生活領域に注力する一方で、既存のゲーム事業でも、グリーやサイバーエージェントとのジョイントベンチャー(JV)設立やファンドの立ち上げなど、アグレッシブな動きを見せました。

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