同日のセミナーでは、三菱総合研究所 ITS・モビリティグループ 主席研究員である杉浦孝明氏によって、9月7~11日に米デトロイトで開催された「2014 Detroit ITS世界会議」の主な内容も紹介された。ITS(Intelligent Transport Systems)世界会議は、1994年から毎年開催されている国際会議で、世界のクルマメーカーのトップや各国政府の要人が参加している。2013年には東京で開催され世界から4000人が参加した。
今回の世界会議で最も注目を集めていたトピックは「自動運転」だったと杉浦氏は振り返る。開会式ではゼネラルモーターズ(GM)のメアリー・バーラCEOが、2年以内に高速道路などで一部の自動運転を行う「スーパークルーズ」機能を商品化することを発表した。渋滞時など低速走行時の車両の発進や追従、停止機能と車線維持のためのハンドル操縦を自動化するという。
なお、米国では2月に運輸省・連邦道路車両安全局(NHTSA)が、クルマ同士の無線通信による安全運転支援システムのための車載器を将来的に義務化するための制度策定準備作業に入ったことを表明している。この制度が順調に策定されれば、2020年ごろには車載器の搭載が義務化されるのではないかと杉浦氏は語る。
さらに世界会議では、デンソーが補正したGPS信号のみで先行車両を自動的に追従する自動運転デモを披露。そのほか、ミリ波レーダやカメラなどのセンサ技術、ドライバーの状況を監視するモニタリング技術、無線通信技術など、自動運転に関わる先進技術を各社が展示していたという。
これらの技術を活用して、今後5年以内に部分的にドライバーをサポートする安全機能が実用化されるのではないかと杉浦氏は見ている。ただし、完全な自動運転の社会が訪れるまでには10年以上の歳月がかかるとの見方を示した。
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