そのほかの特徴としては、無線充電や、サファイアガラス製で傷のつきにくい超硬度のスクリーンなどが考えられる。Appleは、サファイアガラスメーカーであるGT Advanced Technologyが2013年に発表した提携を通じて、すでにサファイアガラスに投資を続けている(iPhone 5sでも、指紋認証スキャナとカメラレンズでサファイアはすでに使用されている)。iWatchが2種類のサイズで提供されれば、女性や手首の細いユーザーにとっても端末の魅力は増すだろう。こうした機能だけでも、iWatchは市場にすでに存在する他の端末と一線を画するものになると言えそうだ。
「『二番煎じ』(の製品)にすることは当然できない」とKantar WorldpanelのアナリストCarolina Milanesi氏は述べる。「適切な製品にする必要がある」(Milanesi氏)
ウェアラブル市場の潜在規模は評価によって異なる。一部のアナリストが拡大すると予測する一方で、別のアナリストは消滅すると予測する。市場調査会社IDCは、ウェアラブル製品の出荷数が2014年末から2018年にかけてほぼ6倍の1億1190万台へと増加すると予測している。一方、Forrester Researchは、スマートウォッチやフィットネスバンドの機能は2016年までにスマートフォンやセンサ搭載ヘッドホンのような他のデバイスに吸収されると予測している。
Appleに関しては、Morgan StanleyのアナリストKaty Huberty氏は、AppleがiWatch発売後最初の12カ月で同デバイスを少なくとも3000万台出荷し、約90億ドルの売上高を得る可能性があると見積もっている。同氏は、Appleがこの台数の倍を出荷する可能性があると付け加える。比較として、Appleは、4~6月期に3520万台のiPhoneを販売し、総売上高374億ドルを第3会計四半期に得るのに役立てている。
しかし、AppleはiPadが市場投入された最初の年、同タブレットをわずか1950万台しか販売していない。しかし、Huberty氏は「iWatchの可能性は大きいと思う」と指摘する。
Appleにとって、圧倒的な出荷台数はさほど重要ではないのかもしれない。代わりに、iWatchは、iOSソフトウェア(iPhoneやiPadを駆動するとともに100万以上のアプリを動作させる)において中心的存在となり、Appleのエコシステムをヘルスケア/フィットネスやモバイル決済へと拡大する可能性がある。また、iWatchは、AppleのHomeKitソフトウェア(まもなく登場予定の新しいiOS 8の一部として6月にやはり発表)を通してスマートホームと統合される可能性もある。
Appleのウェアラブル製品は、何らかの音楽的要素もしくはBeatsとのタイアップを含むかもしれない。Beatsは、楽曲ストリーミングおよびヘッドホンメーカーで、Appleが8月初旬に30億ドルで買収している。少なくともAppleは、自社の新事業について話をするのではないかと思われている。ラッパーでありBeatsの共同創設者のDr. Dre氏は、Appleが6月に開催したWorldwide Developer Conferenceでは端役を演じたにすぎず、Appleでソフトウェアを統括するCraig Federighi氏とスピーカーホンで会話しただけだった。
Appleのイベントは米国時間9月9日、カリフォルニア州クパチーノにある同社本社近くのフリントセンター・フォー・ザ・パフォーミングアーツで開催される。このイベントはすでに、Appleの発表としては最も話題とされるものの1つとなっている。Cook氏は、Appleの共同創設者であるJobs氏がMacintoshコンピュータを1984年に発表し、そして、Ive氏率いるチームがデザインしたiMacコンピュータを1998年に発表したのと同じ舞台に立つ予定になっている。会場の座席数は2300以上だが、Appleは8月、同社新製品のデモセンターとしての役割を果たすかのような巨大な白い建物を屋外に建設している。
一部では、Appleが今週行うのは自社ウェアラブルの発表だけで、その発売は2015年になるのでは見られている。長期的には顧客も投資家も気にしないだろう。しかし、彼らがいつも辛抱強くしていてくれるとは限らない。
「Appleは製品を出した方が良い」。Appleの株主でMerlin Asset Managementの最高投資責任者(CIO)であるMichael Obuchowski氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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