ネット動画広告配信プラットフォーム「Videology」が選ばれる理由 - (page 2)

久保田朋彦(アンプリア代表取締役)2014年08月28日 11時00分

--プログラマティックのソリューションは、その特性上どうしても広告単価を引き下げる方向に働いてしまう傾向があると思います。しかしながら、広告単価が引き下げられてしまう場合、コンテンツプロバイダは自社コンテンツを提供することを避けてしまうでしょう。この矛盾について、どのように解決策を考えていらっしゃいますか。

Ken:まず、プログラマティックの定義から確認させてください。もしプログラマティックをリクエスト毎にオークションするRTB(Real-Time Bidding)という意味で使っているのであれば、おっしゃるように枠全体の広告単価は下がる可能性があると思います。

 RTBはリクエスト毎にオークションするため、買い手としては欲しいインベントリーのみ購入することができます。今まで枠としてまとめて売られていた在庫が、それぞれの買い手が欲しい在庫のみを購入するようになったため、1インプレッションあたりの広告単価はオークションで高値がつくことはあっても、広告枠として考えた場合の収益は下がってしまうことがありました。ディスプレイでのこのような経験から、RTBは広告枠としての広告単価を下げると考えるメディアの方は多いのではないでしょうか。

 これに対して、我々が提供するソリューションは従来型の純広告に近い予約型配信になります。事前にキャンペーンを配信する広告枠を指定する従来型の純広告と同様に、広告枠としての評価を維持したまま、前述の予測テクノロジーをベースに各ターゲティングへ配信できますので、理論的には従来よりも広告単価を引き上げることも可能です。

 例えば、従来1000円で売られていた広告枠があったとします。今まで広告主は、この枠を1000円で買い付けていましたので、本来であれば女性のみに広告を配信したい場合であっても男性にも広告を配信していました。しかし、広告主の観点では本来は女性のみに配信したいと思っていましたので、男性への配信は無駄なコストと考えられるケースもあると思います。この場合、もし女性のみに広告配信するターゲティングを700円でできるとすれば、広告主にとっては対象のユーザーへのリーチ数は同じで300円ほどコストが下がりますし、費用対効果が上がります。

 メディア側としては、同様に男性を対象にしたキャンペーンを配信することで、理論的には従来の1000円より高い価格で広告枠を売ることが可能になります。我々のテクノロジーを用いることで、必ずしも広告単価が下がるわけではないことを理解していただけたのではないでしょうか。

--欧米での経験を日本でどのように生かそうと考えていらっしゃいますか。また、日本での今後の活動や日本市場への期待について教えてください。

Ken:まず、欧米の経験を日本で生かすということについてですが、欧米と日本ではテレビとユーザーの関係が大きく違うため、そのまま日本で適用できないこともあります。従って、日本のニーズに合わせた製品開発やサービスを提供していく必要があると考えていますし、やっていくつもりです。また、革新的なパートナーと一緒に仕事ができることは非常に嬉しく思っています。日本のインターネット動画広告市場はまだ始まったばかりで、今後も大きく成長すると考えておりますので、パートナーとして一緒にがんばっていきたいと考えています。

久保田朋彦
◇ライタープロフィール
久保田朋彦(くぼたともひこ):アンプリア 代表取締役、GCAサヴィアン マーケティングオフィサー
日米のメディアおよびデジタルメディア分野のM&Aアドバイザリーを専門に担当。直近では、日本テレビ放送網によるHulu日本事業の買収、博報堂による海外企業との戦略的資本業務提携、NTTドコモによるマガシークの買収、グリーによるFunzio買収、DeNAによるngmocoの買収、電通によるInnovationInteractiveの買収、SixApart Inc.の日本法人の売却、電通によるインド子会社の完全子会社化といった案件を、米国チームとともに成功に導くなど、日本企業と米国のテクノロジベースのデジタルメディア企業との橋渡しを実現。
その他、メディアおよびテクノロジー業界でのカンファレンスにも多数スピーカーとして参加。AMPLIA創業前は、GCAサヴィアン、ソニー、UBS等にて、M&Aアドバイザリー業務、経営企画業務等に従事。

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