Ken:まず、プログラマティックの定義から確認させてください。もしプログラマティックをリクエスト毎にオークションするRTB(Real-Time Bidding)という意味で使っているのであれば、おっしゃるように枠全体の広告単価は下がる可能性があると思います。
RTBはリクエスト毎にオークションするため、買い手としては欲しいインベントリーのみ購入することができます。今まで枠としてまとめて売られていた在庫が、それぞれの買い手が欲しい在庫のみを購入するようになったため、1インプレッションあたりの広告単価はオークションで高値がつくことはあっても、広告枠として考えた場合の収益は下がってしまうことがありました。ディスプレイでのこのような経験から、RTBは広告枠としての広告単価を下げると考えるメディアの方は多いのではないでしょうか。
これに対して、我々が提供するソリューションは従来型の純広告に近い予約型配信になります。事前にキャンペーンを配信する広告枠を指定する従来型の純広告と同様に、広告枠としての評価を維持したまま、前述の予測テクノロジーをベースに各ターゲティングへ配信できますので、理論的には従来よりも広告単価を引き上げることも可能です。
例えば、従来1000円で売られていた広告枠があったとします。今まで広告主は、この枠を1000円で買い付けていましたので、本来であれば女性のみに広告を配信したい場合であっても男性にも広告を配信していました。しかし、広告主の観点では本来は女性のみに配信したいと思っていましたので、男性への配信は無駄なコストと考えられるケースもあると思います。この場合、もし女性のみに広告配信するターゲティングを700円でできるとすれば、広告主にとっては対象のユーザーへのリーチ数は同じで300円ほどコストが下がりますし、費用対効果が上がります。
メディア側としては、同様に男性を対象にしたキャンペーンを配信することで、理論的には従来の1000円より高い価格で広告枠を売ることが可能になります。我々のテクノロジーを用いることで、必ずしも広告単価が下がるわけではないことを理解していただけたのではないでしょうか。
Ken:まず、欧米の経験を日本で生かすということについてですが、欧米と日本ではテレビとユーザーの関係が大きく違うため、そのまま日本で適用できないこともあります。従って、日本のニーズに合わせた製品開発やサービスを提供していく必要があると考えていますし、やっていくつもりです。また、革新的なパートナーと一緒に仕事ができることは非常に嬉しく思っています。日本のインターネット動画広告市場はまだ始まったばかりで、今後も大きく成長すると考えておりますので、パートナーとして一緒にがんばっていきたいと考えています。
Videologyの配信プラットフォームの特徴のひとつである「予約型配信」を活用することで、広告効果を上げつつも同時に広告単価を引き上げるということは、これまでにない新しいチャレンジだと思います。その結果、特にブランド広告主が積極的にインターネット動画広告市場に予算を投下するようになると、視聴者とコンテンツホルダー双方にとってチャンスが広がるため、市場に好循環が生まれて一層の拡大が期待できます。
また、日本でも日本テレビをはじめとして、キャッチアップコンテンツがインターネット動画でも配信されるようになってきていますので、本格的なインターネット動画市場が確立される要素は、いよいよ整備されたと考えてよいのではないでしょうか。
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