ニュースアプリ強者が見据える「未来」とは--主要4社が議論 - (page 2)

ヤフーやLINEに「やられて嫌なこと」、テレビCMの効果は?

 ヤフーやLINEなどの大手プラットフォーマーにやられると嫌なことは何かという質問について、スマートニュースの鈴木氏は「ヤフーによるGunosyの買収、(成長が)加速しそう」とコメント。これに対しGunosyの木村氏は「KDDIから出資を受けているのでそれはない」とその可能性を否定した。

  • スマートニュース代表取締役会長の鈴木健氏

 続いて木村氏は、「LINE」アプリ内で記事を配信している「LINEニュース」について言及。LINEニュースは“要約”した記事を配信する点などから、棲み分けはできるとしながらも、「(国内)5000万ダウンロードで、かつアクティブ率の高い中でやられると結構辛い」と本音を漏らした。

 また、テレビCMの効果についても議論は及んだ。先ほど述べたように、Gunosyは3月から一気にテレビCMを放送し倍の規模に急成長した。木村氏によれば、3カ月で12億円を投入し、17本のCMを制作したそうで、広告代理店は「ドン引きしていた」(木村氏)という。同じく網羅的なニュースを配信しているSmartNewsのCM展開について、鈴木氏は「検討中」と語るにとどめた。

 モデルのローラさんを起用し、オシャレな女性を意識したCMを放送したAntennaは、ダウンロード数よりもアプリの認知度を重視。東京都心で40%の認知率を目指したというが、親会社のマクロミルの調査によると、それを超える50%に達するなど期待以上の結果が得られたそうだ。

「ニュース」以外の情報も発信するのか

 各社ともに「ニュース」という軸でサービスを開始したが、今後の成長にあわせて事業領域を拡大する予定はあるのだろうか。Gunosyの木村氏は、ニュースにとどまらず天気やスポーツ情報、占いなど、さまざまなコンテンツを提供したいと語る。ただし、従来のポータルサイトとの違いとして、ユーザーにプッシュ配信しても嫌がられない「届いて心地いいもの」を発信したいとした。

  • グライダーアソシエイツ取締役COOの町野健氏

 スマートニュースの鈴木氏も、ニュース以外のさまざまなコンテンツを増やし、その結果「ヤフーが揃えるコンテンツに近づくことはありえる」と語る。ただし、それは最低限だとし、スマートフォンでニュースを読む文化を作った先駆者として、「プロダクトの力で圧倒的なユーザー体験とインパクトを目指す」と意気込んだ。さらに、将来的にはハードウェアなども手がけたいとした。

 町野氏は、Antennaについて「トヨタではなくてアウディを目指す。つまり、ニッチだけどリッチ」と語り、引き続きライフスタイルを豊かにするコンテンツを充実させたいと語る。そのために、Antenna内で決済できるECサービス「Antennaショッピング」なども成長させたいとした。

 梅田氏は、NewsPicksによって「ビジネスパーソンの情報接点はすべて抑えたい」と語り、“経済”の枠から出ることはないと説明する。その上で、まだ手がけていないのが動画と紙だという。特に「紙」については社内で大反対されていることを明かしたが、「衰退していると言われるが、まだまだ可能性がある。あえて紙をやりたい」と、自身の思いを語った。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]