これらスマートウォッチの見た目や雰囲気は「Google Now」とよく似ているが、それは偶然ではない。これは実際にGoogle Nowを腕にはめているようなものだ。これはまた、ユーザーの過去の行動に基づいて予測された通知を数多く受け取るということも意味している。最後に夕食を注文したのはいつで、それが何であったのかや、次に行くべき場所を覚えていてくれるのだ。これによって、いつもの生活パターンに向けたショートカットの作成が支援される。Google I/Oの基調講演でも、夕食の時間が近づいた際に、Android Wear搭載スマートウォッチ上に表示されたショートカットからピザを注文するというデモが行われていた。
Android Wearを使えば「Android TV」を操作したり、楽曲を再生できるほか、ゆくゆくは自動車内のさまざまなデバイスすらも制御できるようになる。具体的なデモは行われなかったものの、Android Wear機器は最終的に「Nest」や、まもなく出てくる「Dropcam」といったGoogleの家庭向け製品群とのインターフェースにもなるだろう。実際のところ、スマートフォンを使えばこういったことはすべて可能であるが、ポケットの中に手を入れたり、どの部屋にスマートフォンを置いておいたのかを覚えておく必要がなくなるため、利便性のさらなる向上が見込めるはずだ(このインターフェースが実際に使い物になればという条件がつくのはもちろんであるが)。
Android Wear搭載スマートウォッチを使えば、ペアリングされたスマートフォンのロックを解除でき、2要素認証も可能になる。これにより、スマートフォンやノートPC、タブレット、スマート錠、スマート照明、自動車のスマートイグニッションといった、つながり合っているさまざまなデバイスすべての認証やロック解除がウェアラブル機器からできるようになるという可能性が開かれる。このようなことはすべて、スマートフォンを使っても行えるが、スマートウォッチを認証機器として使用すれば、その安全性は理論的にさらに高まるはずだ。スマートフォンとは異なり、スマートウォッチはユーザーが身に着けるものであるため、どこかに置き忘れる心配はあまりないのである。
Android Wearはサムスンの「Tizen」や、Pebbleといった現在の競合製品(そしてFitbitやJawbone、Withingsといった健康関連の競合企業の製品も言うまでもなく)にはなし得ない方法で、ウェアラブル機器のエコシステムを充実させるけん引力になるのは間違いない。Androidという、既に支配的な地位を築いているモバイルOSを活用できるGoogleの力は、決して侮れないのである。
しかし、IT業界における別の巨人もこの市場に参戦しようと待ち構えている。Appleは、数週間前に開催された同社の開発者会議において、独自のウェアラブル製品を想起させる、非常によく似た機能やアプリ、相互運用性を備えた製品の計画を示唆した。Googleが先陣を切ったものの、間もなく登場するであろう「iWatch」によって、腕をめぐる戦いが勃発しそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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