ドコモを皮切りとして、主要3キャリアが“通話定額”を実現するなど、仕組みが大幅に変化した新料金プラン。その内容を改めて振り返ると、通話定額の部分は横並びながら、データ通信の部分で各社とも独自の工夫を凝らしていることが分かる。
これは、実は各社とも通話定額より、パケット通信を重視した戦略をとっていることを意味している。というのも、フィーチャーフォン時代は、音声の料金を工夫し、パケット定額サービスがほぼ一律という状況だった。だが今回の料金プランではその関係が完全に逆転しており、データ通信の部分でいかに収益を高めるか工夫がなされているからだ。
キャリアがデータ通信を重視していることを象徴しているのが、先にも触れた通り通話をあまりせず、データ通信を多くするユーザーにとって、新料金プランは値上がりする要素が多いということ。音声通話でこれ以上収入を上げるのは難しい一方で、スマートフォンの通信トラフィックは増大を続けており、各社に深刻な影響をもたらしている。そこで各キャリアは、音声通話を通話定額にして一定の料金を確保する一方、より多くデータ通信を利用するユーザーへの料金負担を高める方向へと舵を切ったといえるだろう。
それだけにユーザー側としては、非常に複雑ではあるものの、新しい料金プランでどのように契約するとお得になるかだけでなく、従来の料金プランと比べてどちらがお得になるのかも、よく考慮した上でプランの選択をする必要があるだろう。特に通話が少なくデータ通信が多いユーザーの場合、新プランへの移行で損になるという声も多く上がっており、契約変更には十分な検討が求められる。
ちなみに各キャリアとも、料金プランの変更は自身で手続きする形となるため、現在契約しているプランが強制的に新しいプランへと変更されることはない。変更しなければ、旧来の料金プランのままで使い続けることももちろん可能だ。
また旧来の料金プランの受付が終了するまでは、一度新しいプランに変更した後、旧来のプランに戻すこと自体は、各キャリアとも可能となっている。ただしドコモのXiとソフトバンクの場合、従来の料金プランの受付が8月いっぱいで終了してしまうので(ドコモのFOMAは従来の料金プランも継続して提供される)、早めの検討をお勧めしたい。
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