英国政府の経済戦略の一環として2012年に設立された英国貿易投資総省は、英国をスタートアップセンターにするために、さまざまな分野のスタートアップを発掘し、海外と投資家との橋渡しをする役割を持っている。さらに、優秀な人材を起業家として成長させるために、3つのプログラムを実施している。
1つ目は、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学を卒業した人たちが、起業できるための環境を作ることだ。2つ目は、メンターシップによる外部支援を通じた、英国スタートアップの活性化だ。3つ目は、VCのためのマネージャープログラムを通じて、一度成功した起業家の積極的な投資を促し、スタートアップのエコシステムを作る取り組みだ。
「会社を設立しようとする起業家にとって障壁となるものを取り除き、必要なメンターシップを行うことが大切。政府も、スタートアップに対して優遇措置やアントレプレナービザを通じて海外の優秀な人材をイギリスに呼びこむ政策を行っている。大臣とスタートアップが対話し、官民が同じテーブルについて議論するといった傾聴する姿勢を持つなど、政府も大きな支援をしている」(クリス氏)。
破壊的イノベーションを起こすために必要なものはなにか、佐々木氏は尋ねた。クリス氏は、早く失敗し挑戦すべきと語る。
「リーンスタートアップで前に進み、ダメだったらすぐにピボットすればいい。大胆でグローバルな野心を誰もが持ち、挑戦する環境を作ることがこれから求められてくる」(クリス氏)。
デイビット氏は「イスラエルの教育制度は、失敗を許す文化がある。起業して失敗しても、常に回復できる回復力を社会が持つことが大切。失敗を理解して次の挑戦ができれば、優秀な起業家としてさらに飛躍する」と語る。
イスラエルは、イノベーションを奨励する文化があるという。その1つとして「互いにフラットで、常にオープンディスカッションで議論をしたり上司であっても間違いを指摘したりする関係がある」とマルコ氏は語る。
「プロダクトマネージャが、私に対して間違いを指摘することがある。大事なのは、反対意見でも聞くこと。自分が常に正しいと思うならば、1人でやればいい。部下にチャレンジを奨励し、間違いを互いに指摘し合いながら良いものを作っていく文化が、イノベーションを生み出していく」と語るマルコ氏は、日本へのアドバイスとして、個人主義を浸透させてルールを破ることを許容することが大切だと語る。
ピーター氏は、他の人との差別化をどのように図るか、そのために個性をいかに尊重するかが大切だと語る。
「テクノロジありきではない。テクノロジはどこにでもある。イノベーションに大切なのはストーリーとブランディング。そのためには個性を尊重し、目立つことを許すことだ」(ピーター氏)。
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