新規インストール約10万--美少女Mobageがコミケ出展で得た“数字だけではない効果” - (page 2)

DeNAやMobageではない「美少女Mobage」としての軸

 「DeNAやMobageのイメージというと『データベース』『ビッグデータ』『データ分析』『定量的』『ロジカル』という言葉に代表されるものがあったと思うんです。でもキャラクターゲームの世界って“愛”じゃないですか。ユーザーさんはもとより社内外にもそのことが伝わったのかなと思っています」(岩朝氏)。

 コミケでは別の取り組みとして、今回出展したIT企業である日本マイクロソフト、ゲームエンジン「Unity」のユニティ・テクノロジーズ・ジャパン、インターネット総合企業のGMOインターネットと、4社合同でスタンプラリーを実施。日本マイクロソフトはすでに出展経験があることは知られているが、GMOインターネットは自社サービスの公式キャラ「美雲このは」「美雲あんず」をモチーフにしたアニメを制作し無料配布。ユニティもゲーム開発に使えるキャラクター「ユニティちゃん」を押し出す形で、ともに初出展。スタンプラリーでは各種キャラをコラボしたクリアファイルなどが配布された。

 「IT系の企業がコミケの場に出ると、外様やお客様みたいな感覚があると思うんですけど、コミケを理解しようとしている姿勢は、ユーザーの方にも伝わったのかなと。盛り上げようとして取り組んだ点については、事務局の方からも喜ばれたという話を聞いてます。IT企業ではなく、コミケに出展する一企業として普通なんだなと思っていただける一助になったと思ってます」(岩朝氏)。

配布された美少女Mobageのクリアファイルデザイン。岩朝氏が深夜2時に勢いでデザインしたという裏面は、普通に見れば意味不明なもののように映るが、コミケを理解する広報担当の援護射撃によりそのまま制作。このクリアファイルを求めるユーザーも少なくなかったとか
配布された美少女Mobageのクリアファイルデザイン。岩朝氏が深夜2時に勢いでデザインしたという裏面は、普通に見れば意味不明なもののように映るが、コミケを理解する広報担当の援護射撃によりそのまま制作。このクリアファイルを求めるユーザーも少なくなかったとか

 当初は美少女Mobageの名前もあくまでブース名、取り組みも今回に限って行われるものとしていたが、コミケ終了後には社内で報告会が行われ、数字よりもユーザーに対するスタンスとしての成果があったとして、継続して行っていく判断がなされたという。さらに、今までとは一風変わったタイトルやコラボ施策の話も舞い込んできているという。

  • コミケ以降も更新されている、スペシャリスト広瀬氏による美少女ゲームレビューコーナー。ゲームレビューとうたっているが、ゲームには全く触れず、世界観とキャラについてだけ語っている。このあたりは、筆者としてもシンパシーを感じる

 「1月に社内で報告会があって、そのなかでもゲーム部門の責任者がユーザーと直接ふれあう機会であったことや、冊子も愛あふれるものだったと評価されていたようで、このまま終わるよりは続けた方がいいだろうという判断になっています。また、お堅いイメージはゲーム開発会社やパブリッシャーさんにもあったようで、美少女Mobageを打ち出してから一緒にコラボしましょうというお話もたくさんいただきました。いままでのDeNAやMobageのイメージからは、本当にありえなかったタイトルや仕掛けもできそうです」(岩朝氏)。

 また社内でも前述したスペシャリストたちが声をかけられ、ユーザーの趣味や好み、レビューなどのアドバイスをするといった光景も増えてきたという。岩朝氏いわく「熱く語って引かれることも多いですけど(笑)、キャラクタが好きなゲームユーザーに向けた物作りするのはありなんだ理解はしていただけます。そこにインスパイアされたり化学反応的なものも起きていて、それも効果のひとつかなと思います」。

 今後については、コミケ出展は抽選という側面があるため確実なことは言えないにせよ、継続的に参加したい意向はあるという。またそれ以外のゲームやエンタメ系イベントに、美少女Mobageとして出展することにも意欲を示している。

 「我々のチームはMobageのためというより、美少女キャラクタが登場するゲームやコンテンツが好きなユーザーに向けて響くようなサービスを、スタッフ側でもわかってる人たちが取り組むチームだと考えています。DeNAやMobageの軸ではなく、美少女Mobageとしての軸であれば、ゲームにこだわらずさまざまなことをやっていきます。その先のこととしては、今回の出展タイトルには自社タイトルがなかったですから、美少女Mobageらしい自社タイトルを出して軌道にのせることがチームの宿願ですね」(岩朝氏)。

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