NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは3月13日、米Satmetrix Systemsと、顧客満足度を測るネットプロモータースコア(NPS)を活用したネットプロモーター・ソリューション事業を日本市場において独占提供することで合意したと発表した。2014年夏にサービスの提供を開始する予定だ。
NTTコム オンラインの代表取締役社長である塚本良江氏は、「NPSは顧客満足度を測る新しい指標で、日本ではまだ新鮮感があるが、欧米だと株式公開企業の3分の1がすでに導入しており、グローバルのデファクトスタンダードになっている」と説明した。
NPSは、製品を購入したり、サービスを利用したりした顧客に対して「友人や同僚に勧めたいか?」などのアンケートを実施し、それを基に10段階で評価し「批判者」、「中立者」、「推奨者」にわけ、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出する。NPSと企業の業績(売上への影響)には相関関係があり、NPSが高いと業績が伸び、低いと伸びないという。
ネットプロモーター・ソリューションは、NPSを通して得られる顧客からのフィードバックに企業が向き合い、それを担当者や関係者全体で共有し、改善アクションを取ってPDCA(Plan Do Check Action)を継続的に運用していくことだ。これにより、推奨者を増やし、業績向上につなげていく。
協業による日本での展開としては、大きく3つある。1つは「マーケティングクラウドサービス『Satmetrix Pro』の提供」だ。Satmetrix Proは、米国のグローバル企業を中心に1000件を超えて導入されている。具体的には、NPSを収集するためのセルフアンケート作成機能やメール配信機能に加えて、顧客セグメントごとのNPSの推移や要因をリアルタイムにグラフ化する分析機能がある。また、顧客からのフィードバックに基づき、実際のアクションを担当者や担当部署に促すフォローアップ機能と、その進捗を一元管理する機能もある。
2つめは、「コンサルティングサービスの提供」で、Satmetrix Proを活用した、顧客ロイヤルティプログラムの全体設計や運営をコンサルティングする。
3つめは、「Satmetrix・NPS公認資格(Net Promoter Certification)の日本語プログラム提供」だ。全世界で約4000名超の人が受講、取得しているこの資格の日本語研修プラグラムと、日本での資格認定を推進していく。
Satmetrixの最高経営責任者であるRichard Owen氏は「今後は電子メールによるアンケートだけではなく、ソーシャルメディアのコメントも考慮していく方針で、適切な時期に日本を始め世界でこの機能を提供していく予定だ」とした。
すでに顧客は非常に多くの調査系メールを受け取っているため、近い将来には電子メールの効果は徐々に低下していくと見ている。この一方で、顧客は自分たちのオピニオンをソーシャルメディアでシェアすることがますます一般的になってきており、ソーシャルメディアのデータにシフトせざるを得ない状況。ただし、こうしたデータは「有効なデータなのか、単なるノイズなのかを調べていかなければならないという課題がある。たとえば、Twitterのコメントの95%は有効なコメントを含んでいないと考えている。われわれは、すでにコメントの文脈からそれらを判断してサーベイに活かす技術を持っており、適切な時期に導入する」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」