興味深いことに、押しが強く、細部まで表現する新型Studioのサウンドは、騒々しい環境でより効果的に音を「削る」という点で、ある程度有利に働いている。家の静かな環境だと、強調された高音を不快に感じる人もいるかもしれない(例えば、Spoonの「You Got Yr. Cherry Bomb」という曲を聴くと、曲の最初から最後まで演奏されるタンバリンの音に歌声が埋れてしまう)。しかし、騒々しい場所では、強調された高音がそれほど目立たなくなるので、音質が全体的に向上する。
確かに、少し奇妙な話だが、ヘッドホンのサウンドは聞く環境によって変化する。そして、新しいStudioは屋外でのリスニングに重きを置いて調整されているようだ。
筆者は初代Beats Studioモデルのファンだったわけではない。新しいStudioヘッドホンがうれしい驚きだったのは、おそらくそのためだろう。オーバーイヤー型ヘッドホンにしては非常に快適だ。BoseのQuietComfort 15ほど快適ではないかもしれないが、非常に暑い場所で使用しない限り、長時間装着し続けることができるはずだ。
高度な原音再現性を備えたヘッドホンを探しているのなら、新型Studioを選ぶべきではない。しかし、筆者は新型Studioの低音が気に入った(初代Studioの低音と比べると控えめになっているようだ)。そして、高音の強調は、騒がしいニューヨークの地下鉄で通勤する際の筆者のリスニング体験を改善してくれた。米CNETのTy Pendlebury記者は「自分が購入するかどうかは分からないが、多くのことをうまくこなすヘッドホンだ」と述べており、筆者もそれと同じ意見だ。
価値に関して言えば、この価格帯にはおしゃれな見た目で非常に高品質なヘッドホンがたくさんある。オンイヤー型のKEF「M500」(Studioよりゆったりとしている)、ソニーの「MDR-R1」、オンイヤー型のBowers & Wilkins「P5」などだ。オーディオテクニカの「ATH-M50」などのほかのモデルは、Studioよりわずかに高音質で、価格もかなり安いが、屋外での使用にはそれほど適していない。
しかし、最高のアクティブノイズキャンセリングヘッドホンを探しているのなら、選択肢は少し狭まる。優れた製品がいくつかあり、筆者は「Harman Kardon NC」(約250ドル)やMonster「Inspiration」のノイズキャンセリング版が気に入っている。400ドルまで出してもいいという人には、PSB Speakersの「M4U 2」をお勧めする。Beats自身の「Beats Executive」も実際には構造面でStudioより優れているかもしれないが、筆者は新型Studioのサウンドやフィット感の方が好みだ。
BoseのQuietComfort 15はどうかと言うと、今でも最も快適なノイズキャンセリングヘッドホンで、最高のノイズキャンセリングを提供する。しかし、サウンドについては、新しいStudioなどのほかのノイズキャンセリングヘッドホンの方がほぼ間違いなく優れている。
いずれにせよ、このまま結論として、新しいBeats Studioがお買い得だと言うつもりはない。そうではないからだ。しかし、幸いなことに、新型Studioは初代Studioよりも価値が高い。したがって、正しい方向に進んだと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境