特に人気ゲームアプリの入れ替わりが激しい1年だっただけに、プレイするゲームは大幅に変わったように思います。“パズドラ超え”とはいきませんでしたが、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」(コロプラ)や「LINE ポコパン」(LINE)などは、今年のスマートフォンゲームシーンを象徴する存在といっても過言ではないでしょう。
一方で、ゲームと双璧をなすコミュニケーション関連アプリに関しては、2012年末の混沌ぶりから一転し、今年に入って「LINE」にほぼ一本化されたように感じます。今年は利用トラブルに関する報道が相次いだLINEですが、3億人を超えるユーザー基盤を獲得し急成長が続いているだけに、今後世界で主導権を獲得できる存在となるか、引き続き注目しています。
2012年にLTEネットワークが立ち上がり、今年もLTEに関しては激しい争いが繰り広げられましたが、その甲斐もあってLTEネットワークの充実度は確実に高まりました。今年はどちらかといえば、ネットワークから端末、ひいては“ドコモiPhone”に再び注目が移った1年だったといえるかもしれません。
最終的には、NTTドコモがiPhone 5s/5cを販売したのはご存じのとおりです。ですが、その過程で端末メーカーに起きた劇的な変化は、今後の日本の端末市場に大きな影響を残すことになりそうです。
また今年、キャリアが3グループに収れんされ、しかも全キャリアがiPhoneの販売を開始したことから、キャリア間の差が打ち出しにくくなり、健全に競争できる軸を失いつつあるのも事実です。特にトラブルが相次ぐ端末販売のあり方に関しては、キャリア各社に大きな課題を突き付けた1年だったと感じます。
インフラ、端末、サービス共にここ数年激しく変動してきただけに、LTE-Advancedの導入を2015年に控える来年は、大きな動きが起きにくいと予測しています。ですが、そうした中でも大きく変化する可能性があるとすれば“料金”ではないでしょうか。
現在、スマートフォンの大きな不満要素の1つとなっているのが料金です。実際、キャリア各社のスマートフォンの月額料金が7000円程度で高止まりし、それがスマートフォンユーザー拡大を停滞させている大きな要因の1つとなっています。
それだけに来年は、スマートフォンの利用料金に何らかの形でメスが入ることになるかもしれません。実際ソフトバンクは、低価格スマートフォンを提供する傘下のウィルコムとイー・モバイル(イー・アクセス)を合併させるなど、低価格スマートフォンの提供強化に向けた動きを見せています。
価格的メリットで一般ユーザーへの訴求を強めるMVNOの動向と合わせ、低価格でスマートフォンが利用できるサービスが急速に広まり、大手キャリアにプレッシャーをかけてくる可能性は高いと言えそうです。
佐野正弘(さの まさひろ)
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。
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