現代のデジタル写真においてカメラを構成するのはレンズとイメージセンサだけでなく、画像処理用のハードウェアと写真の生成に使用するソフトウェアも必要だ。これには、ノイズ低減、好ましくない色かぶりの除去、レンズの問題の補正、複数の写真を1枚に合成して明るい部分と暗い部分のバランスを調整する機能などのオプションが含まれる。
これらの画像処理はすべて、Androidベースの写真が大きく変化する可能性を示すものだ。GoogleはHALを進化させることによって、プログラマーが基本データをさらに活用して、より洗練されたカメラアプリを開発できるようにするわけだ。
このような処理では、イメージセンサの元データから、通常はJPEGフォーマットの写真など、より扱いやすいものを生成する。ただし多くの写真愛好家は、Appleの「Aperture」やAdobe Systemsの「Adobe Photoshop Lightroom」といったソフトウェアを使って画像処理の判断を自ら行うことを好むため、Googleのアプローチは、この点で使い勝手をさらに向上させるかもしれない。モバイル端末におけるRAWフォーマット写真撮影機能は、「Windows Phones」搭載モデルであるNokiaの「Lumia 1520」および「Lumia 1020」に採用されている。
通常はハイエンドのカメラに限定されたオプションであるRAWフォーマットはJPEGより柔軟性も画像品質も高いが、手動による処理も必要で不便な面がある。写真愛好家にとっては、手間をかけるだけの価値がある場合も多い。NokiaはRAWデータをAdobeのオープンアーカイブ形式Digital Negative (DNG)フォーマットに変換して扱うという選択をしたが、この動きは画像処理ソフトウェアの開発を進めやすくするものだ。Scigliano氏は、RAWデータに関するGoogleのファイルフォーマットの計画についてはコメントを控えた。
Googleは新APIをいつ配布し、サードパーティーのソフトウェアがAndroidの新しい写真撮影機能を利用できるようになるのか、スケジュールを明言することも避けた。同社は「今後のリリース」で投入するとだけ述べている。
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