今回リリースされたマルチスクリーンSDKは、サムスンが買収したMOVLの技術を基にしている。同SDKを使えば、タッチ1回でデバイスを発見してペアリングし、さまざまなデバイス間での共有を簡便化するAPIを入力できる。
このSDKこそ、独自のエコシステム構築へ向けたサムスンの長期戦略の要となるものだ。幅広いエレクトロニクス製品を手がけるサムスンだが、デバイス間の連携が充実しているとは言いがたい。「WatchOn」アプリのようなデバイス同士を接続する機能をリリースしてはいるが、デバイス間のシームレスな連携を実現するレベルには至っていない。
「皆に質問されるのは、開発者にとって次の大きな波は何かということだ」と、サムスンのMedia Solution Center Americaシニアディレクターを務めるJuan Pablo Gnecco氏は、開発者カンファレンスのプレゼンテーションで述べた。「その答えはテレビだ。しかし、テレビは単体ではない。今や家庭のリビングルームはデバイスであふれており、まさしくマルチスクリーン状態だ」
このマルチスクリーンSDKをベースに構築されたのが、マルチスクリーンゲーム用のSDKだ。同SDKを使ってゲームを開発すると、サムスンのスマートフォンをゲーム機として大画面テレビでゲームができるようになり、「没入型のゲーム体験」をユーザーに提供できる。
合理化されたモバイルSDKは、第3世代の「S Pen」など、10個の独立したパッケージからなる。同SDKにはそのほか、メディアコントロール、プロフェッショナルオーディオ、ジェスチャーなど、合わせて800以上のAPIが含まれると、同社Media Solutions Center AmericaシニアバイスプレジデントのCurtis Sasaki氏は開発者カンファレンスの基調講演で述べた。
エンタープライズSDKは、セキュアなアプリケーションを開発し、職場に「個人のデバイスを持ち込む」(BYOD)トレンドを支援することを可能にするものだ。サムスンはビジネスユーザーへのデバイス売り込みに力を入れている。ここ数年、サムスンは自社デバイスをビジネス用途に使いやすくする「Samsung for Enterprise」(SAFE)などの機能をリリースしている。また最近では、デバイスのセキュリティを米国防総省などの機関でも利用可能なレベルに高めるセキュリティプラットフォーム「KNOX」も発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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