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クラウドソーシング業界を揺るがした“大炎上”の一部始終 - (page 2)

岩本有平 (編集部)2013年08月28日 13時08分
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両者を糾弾する匿名Twitterアカウントの正体

 「ライターと事業者のグレーな関係に迫った匿名ユーザー」と、聞けば一見美談に見えるかも知れないが、実はこのマモノ氏も業界に関わりの深い人物だった。同氏の正体はGMOインターネット(GMO)の社長室付き特命担当である世永玲生氏だった。GMOによると、実際には世永氏を中心に複数人でTwitterアカウントを運営していたとのことだが、今回の件に関しては、世永氏のみが関与しているという。

 世永氏は、GMOでゲームやスマートフォンの分析を手掛ける人物。また、ブログメディアの「TechWave」でも、スマートフォンやゲームに関する記事を執筆している。だがここで問題なのは、同氏のこうした業務とは直接的に関わりがないとは言え、投資事業を手掛けるGMOの子会社であるGMO VenturePartnersが、ランサーズに出資しているということだ。つまり、この機会を利用してGMOと関係のあるランサーズが有利になるように、“匿名”をいいことに競合であるクラウドワークスを陥れようとしていたのではないか、ということだ。

 これに対してGMOは、一連の活動を世永氏の個人的な活動とした上で、「関係者の皆様ならびに閲覧されご不快な思いをされた方、すべての方にお詫び申し上げます」とコメントしている。(追記 2013/08/29:GMOインターネットは8月28日付けで世永氏に対する懲戒処分を発表している)

 また世永氏も、アカウントが自身のものだとした上で、「(ライター氏がブログで掲載している)分析がおかしいと周囲で話題になっていた。また、私もライターをしているが、それを軽視するような発信をしていた」と動機を語った上で関係者に対して謝罪していると説明した。また、ランサーズやクラウドワークスとGMOとの関係については「専門外の事なので、お恥ずかしながら知らなかった」とした。

 世永氏は、ライターに対しても批判を繰り返したことを謝罪するために面会を求めた。その際、このライターは「自身の命の危険がある」ということで渋谷警察署生活安全課での面会を要求。そこでライターは関係者への謝罪などを求め、世永氏は一部を除きそれに応える形で謝罪したという。

クラウドソーシング事業者は協議会を設立

 さて、そんな炎上騒動もあったが、クラウドソーシングの事業者らは協調して業界の発展を目指す動きを見せている。前述のクラウドワークスやランサーズのほか、パソナテック、ライフネス、リアルワールドの5社は8月27日、クラウドソーシング業界の健全化と活性化に向けて「クラウドソーシング協議会」を設立すると発表。30社を越える参加企業とともに、12月の法人登記を目指しつつ、クラウドソーシングの認知向上や環境整備に努めるという。

 クラウドワークスの吉田氏は一連の騒動を振り返りつつ「クラウドソーシングを手掛ける事業者としては健全な発展を願っている。まずは当事者間で話し合って市場を作っていきたい」と説明。

 ランサーズ代表取締役社長の秋好陽介氏も、騒動について「成長課題を認識させて頂いた。また、多くのユーザーに心配をお掛けする結果になって申し訳ない」とした上で、「今後はサービス向上や業界団体を通じて、業界発展と健全化に取り組んでいく」と説明した。

 同協議会では、9月から設立準備を進め、12月までに会員企業200社、流通総額200億円を目指す。

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